Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

《Vipassanāハンドブック》18-4(F)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 

鼻識の生起には鼻根、香塵ーー香の所縁境、風(vāta)と作意等の四つが、生起の因となる。

ここにおいて、vāta は鼻の中、または吸い込まれた空気を言い、もし、空気、風(vāta)がないのであれば、香りは鼻根に入ることができない為、故に、そうであれば、匂いを嗅いだりする鼻の機能を、発揮することはできない。

舌識の発生には、舌根、味所縁境、湿潤(āpa)と作意が、必要である。

ここにおいて、āpa とは、舌の湿潤を言い、もし、舌が乾燥していたならば、味または、よい滋味は、舌根と接触できない。

故に(+乾燥があれば)味わう事と、舌根の識別機能は、発揮することができない。

触識の生起には、身根、触所縁境、硬い(粗雑な)物質(thaddha)と、作意という四つの因が必要である。

ここにおいて、thaddha は、触る対象の質を言い、またはその硬さ(粗さ)を言う。

少しばかり粗い物を触る時、すぐさま身根において、印象が生じる。

もし、触るものが余りに微細である時、それは身根に触する事・(+触ったという感覚が)及ぶことが、できない。

また、外に在るものに接触しない限り、触識と身根は、認識の作用を生起する事はできない。

意識を生じせしめるには、意根、法塵ーー法所縁境、意門(manodvāra)、及び作意という四つの因が必要である。

その内、法所縁境とは、五種類の所縁(対象)以外の、すべての心法、観念と涅槃を含む、すべての所縁境を指す。

この五種類の所縁(色、声・音、味、触)は、心意識の対象ではあるものの、しかし、五根門または五種類の感官とは、無関係である事を言う為に、ここにおいては、心所縁境のみに言及する。

「意門」とは、潜在意識の連続して不断の事を言う。

心根は、心意識の生まれる場所であるが、しかし、それには特定の器官が無い為に、外境に対する印象が、感官に顕現する事はなく、故に、それらは、必ずや、意門においてのみ、顕現するのである。

(19-1につづく)

     <Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājem>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、

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<《Vipassanāハンドブック》 (原題 Vipassanā Dipanī)

Ledī sayādaw著 中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>