Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

「テーラワーダ仏教在家居士帰依戒律ハンドブック」5-14

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 

11.

問:虚言妄語学処について、再度、説明をお願いします。

答:「虚言妄語を離れる学処」は、一般的に不妄語戒と言われているもので、妄語する事を戒する戒条である。

実際、この戒条は非常に微細であり、口頭経由であっても、書面筆記であっても、手話などの身体言語であっても、すべての故意による詐欺は、皆犯戒になる。

故に、日常生活において、特に、言動には慎重であるべきであって、誠実さと正直さを保持しなければならない。

以下の状況においては不犯とする:

1、思考を経ずに、衝動的に、あっと思う間もなく口からでたもの。

詐欺の心がないため、不犯である。

2、言いたい事とは異なった事を言ってしまった者ーー愚鈍などが原因で、述べた内容と、考えていた内容(=言いたかった内容)が、異なっていた場合。

3、精神病者。4、乱心者。

12.

問:放逸の原因となる穀物酒、花・果実酒、酒類を離れる学処について、解説して下さい。

答:「放逸の原因となる穀物酒、花・果実酒、酒類を離れる学処」はまた不飲酒戒とも言う。

すなわち、各種の酒類を飲まない、という戒であり、その中には、麻酔等の毒類も含まれる。

酒でありさえすれば、一滴(草の先端分)であっても、犯戒となる。

このほかに、我々は以下の様に考える:

米酒などを漢方薬に入れて製造した薬酒は、たとえ医療効果があったとしても、その外用は可能であるが、飲用は不可である。

以下の状況においては不犯である:

1、酒ではなく、酒色、酒香、酒味のするloṇasovīraka(各種の薬品を入れて製造した薬の一種)、sutta、または酢等。

2、肉のスープなどに調味料として少量入れ、スープとしたものは、飲んでもよい。

しかし、酒の量が多く、酒色、酒香、酒味を呈しているスープ、それらを飲めば犯戒である。

3、精神病者。4、乱心者。

13.

問:非時食を離れる学処について解説して下さい。

答:「非時食を離れる学処」とは、不適切な時間に、一般的な食物を食用する事に関する戒条である。

この内「非時(vikāla)」、または不適切な時間とは、以下の通りである:

日中の(太陽が真上に来る)【正午】から、翌日の明相【黎明】が昇るまで。

この間の時間は、諸々の仏と諸々の阿羅漢は、食事を取らない。

「一般的な食物(yāvakālika、時限薬)」は、通常、薬として使われる所の薬品、バター、ギー、油、蜂蜜、砂糖水及びいくつかの果汁以外の、通常、飢えをしのぐ為の、主食と副食品を言う。

黎明が昇ってから正午までの時間【適時(kāla)】においては、梵行者は、非三浄肉(己自身のために、またはその他の梵行者のために殺すのを見た、聞いた、懐疑した所の魚・肉)、及び人肉などの、仏陀が禁止した所の、10種類の肉以外、どのような食物であっても(+食することができる。)

しかし、正午から翌日の黎明まで、一般の人々が食物としては食べない所の薬品、バター、ギー、油、蜂蜜、砂糖水、及びマンゴー、バナナなどの果汁は食してもよい。しかし、果汁は、濾過されて残渣のないものでなければならず、また未加熱のものでなければならない。

椰子、スイカ、メロンなどの大型の果物の、それによって作られたジュースは、非時に飲用してはならない。

その他に、たとえば、牛乳、豆乳、重湯、ヨーグルト、チョコレートなども非時に食してはならない。

註釈書でも、マンゴーなどの果物から作られた果糖は時限薬とし、正午を過ぎてからは食用する事はできない、と書かれている。

以下の状況においては不犯:

1、喉の渇き、病気などの因縁があり、小型の果物から作った果汁、バター、ギー、蜂蜜、砂糖水及び一般的な薬品(を摂る)。

2、反芻する者が、反芻する時に、(+口から)食物を取りださないという状況の下、飲み込んだもの。

3、精神病者。4、乱心者。

(5-15につづく)

   <Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、

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<「テーラワーダ仏教在家居士帰依戒律ハンドブック」

中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>