南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

般若の独り言~まぜるな危険(チャクラについて)

昨日、アジナ・チャクラ(第三の目)を開発している方から、質問がありました。

チャクラの開発に関して、専門の指導者についていらっしゃるのかどうかは、確認しておりませんが、禅病持ちであるとの事なので、少々、私の見聞を書いてみます。

我々の身体には、目で見える肉体以外に、エネルギーで構成された、目に見えない体が、鞘状になっていると言われます。

幽体とかコザール体とか言われます。

このエネルギーで出来た鞘状の身体には、エネルギーの中枢というのがあります。

台風の目みたいなものでしょうか?

その内、額にあるのがアジナ・チャクラで、<第三の目>と言われます。

それは、このチャクラが開く(機能を全開させる)と、物体を透視する力が備わるからです。

中国では、気功という修行方法がありますが、これも大昔から、中国人が、目で見える肉体以外に、エネルギーの鞘体がある事を知っていた証左になります。中国人の発明した鍼灸は、肉体に針を刺しているのではなくて、エネルギー体に針を刺しています。

インドのチャクラは 7つを数え、中国の経絡は360

を数えます。中国では、小さなチャクラも落とさず、そのすべてを合計すると360になる、という事のようです。

さて、本題ですが、テーラワーダのパオ・メソッドでは、「智慧の光」を開発しますが、チャクラの開発はしません。

40の業処のどれかを修習して、nimittaが生じたならば、その後は、心臓にある心基を観ずる事、

32身分すなわち、自他の身体を智慧の光で観察する事、

縁起の観察、名色の区別の観察、16観智等、

すべて「智慧の光」(nimitta)に依ります。

20年前、私がモーラミャインのパオ本山で修行していた時、台湾から大勢の比丘尼さんたちが来ていましたが、

彼女たちは、休み時間に林の中に入って、こっそり

<気功>太極拳>をやっていました。

「なぜ隠れてやるのか?」と聞いてみましたら、「パオ・セヤドーに禁止されているから」との事でした。

パオ・メソッドでは、「智慧の光」を開発して、16観智の修行に進み、最終的には涅槃を目指します。

密教やヒンズーでは、チャクラを開発して、悟りを目指します(ヒンズーなら目指しているのは、真我という事になります)。

気功なら、仙人を目指します。

これらは目標が異なり、方法論も異なりますから、これらを不用意にまぜると、非常に危険です。

中国人、台湾人は<気功>を、ラジオ体操くらいに思って実践する人が多く、そのレベルなら問題ないのですが、もし、その動作(ゆっくりと気を回す)が、何等の心理的な準備もなしに、不用意に丹田などの、チャクラの開発と結びついてしまうと、非常に危険なのです(『クンダリニー』という本には、不用意にチャクラが開いた為に、非常に苦しんだ人の半生記が書かれています)。

パオ・セヤドーが、台湾の比丘尼さんたちに、<気功>

太極拳>を禁止したのは、パオ・メソッドでは、チャクラの開発を目指さないし、両立する事が出来ない、否、無理に同時進行すると、非常に危険だからです。

 パオ・メソッドでは、神通を開発するのは、別の方法で行いますし、開発する身体部位も異なります。興味のある方は、四禅に入れるようになったら、パオに行って相談されて下さい。

まぜるな危険。

これだけは覚えておいて下さい。

  <緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>