南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

般若の独り言~5歳の発心

私の初発心は、5歳の時です。

この話は、以前、ブログに書きましたので、今回は簡単に。

私の父は、台湾が日本の植民地だった時に、船に乗って神戸に来ました。当時の父の国籍は日本な訳でして、ちょうど、今、沖縄の人が本土に来るのと同じ感覚で、パスポートは必要なく、父は軽い気持ちで、日本に来たようです。

戦後の一時、父も羽振りのいい時がありました。

戦争で砂糖が足りなくなっていた日本に、台湾から砂糖を輸入したのだそうです。それで、大きな家に住んで、家に車(シボレーですよ!)があって、蓄音機があって、いつも洒落た音楽がながれていたのですが・・・。

ある日の事、蓄音機から<お富さん>という歌謡曲(これ、あまり洒落ていませんけどね~笑)が流れて来て、それを聴いた私は、直立不動になって「大きくなったらお釈迦様の勉強をする!」「遊んでいる場合ではない!」と思ったのですよね。

その歌詞とは・・・《死んだはずだよお富さん♪ お釈迦様でも知らぬ仏の・・・♪》

この《でも》に、五歳の女の子は、心を打たれたのです。

《でも》って言うからには、お釈迦様はなんでも知っている、世界一偉い人に違いない。

一体、お釈迦様は何を知っているのか、それを私も知りたいな、と思った訳です。

そしてついでに「これは遊んでいる場合じゃないゾ」とも思い、それ以降は、仏教の事が気になって、いつも物憂げな、本ばかり読んでいるような感じで、日々を過ごしていたように思います(移民というのは、生活するだけで精一杯、あまり本を買ってくれるような家庭ではありませんでしたが、なぜか仏教書はその時々に手に入った)。

10歳の時には、教師が黒板に「緬甸(当時はビルマ、現在のミャンマー)」と書いたら、それがピカッと光って・・・私は「ああ、大きくなったら緬甸に行くんだ」と思ったし・・・人生の不思議は、まだまだ続きます(笑)。

  <緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>