南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

『涅槃証悟の唯一の道』 パオ・セヤドー著(2-8)

<daṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 

もし我々が、上記の事柄を理解したならば、《大念処経》が実際には、止・観の修習を指導・教導するものであり、かつ vipassanā に重きを置いている経典であることが分かる。

業処、パーリ語 kammaṭṭhāna は、心が仕事をする場所という意味であり、また心が専注する所の、所縁でもある。

当該の経は、合計21種類の業処を教導するが、これらの業処は、またその性質に従って四つに分類することができる。

すなわち:身、受、心、法であり、四念処でもある。

こうしたことから、”四念処” であっても ”21種類の業処” であっても、みな心念が専注する所の所縁であり、(+それらは)観智による観照の所縁によって、分類されているのである。

Vipassanā について言えば、経典の中では通常、仏陀は、正慧によって、五蘊、12処、18界、12縁起支等を如実に観照するように教え、教導している。

故に、四念処、五蘊、12処、18界、12縁起支等は、観智による観照の所縁であり、これらの所縁は、すべて究極色法または究極名法の二種類のみで構成される(+事が分かる)。

Vipassanā は、二種類の大業処に分類できるが、それはすなわち、

色業処(rūpakammaṭṭhāna)と

名業処(nāmakammaṭṭhāna)である。

もし、五蘊によって分類するならば、すなわち、色蘊は色法であり、受想行識蘊は名法に属する。

故に、四念処の修習とはすなわち、五蘊の随観であると言える。

その内:

1、身随観は色蘊の随観に相当する。

2、受随観は受蘊の随観に相当する。

3、心随観は識蘊の随観に相当する。

4、法随観の中の五蓋と七覚支は、想蘊と行蘊の随観に相当し、法随観の中の五蘊、12処と四聖諦は、すべての五蘊を随観する事に相当する。

(2-9につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。

<パオ・セヤドー著『涅槃証悟の唯一の道』 (原題「証悟涅槃的唯一之道」) 

中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>