南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

『涅槃証悟の唯一の道』 パオ・セヤドー著(3-1)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 

第一章 序論

我々が当該の書を著述する目的は、涅槃を証悟する為の実修に関して、簡単な説明を施す為である。

我々は《大念処経》(Mahāsatipaṭṭhāna Sutta)の最初の部分《入出息の部分》(Ānāpānapabbaṃ)について研究を行う事にした。

しかしながら、もし完全に正確にこの部分を理解する為には、それと、当該の経のその他の部分との関係性を理解しなければならない;

もし、当該の経のその他の部分を完全に正確に理解する為には、それと仏陀の教えにおける全体的な関係性を理解しなければならない。

四つの完成するべき任務

ここにおいて我々は先に、仏陀が《諦相応・楼閣經》(Kūṭāgāra Sutta)の中に述べている言葉を引用する:

”比丘たちよ。

ある人がこの様に言うとする:

’私の楼閣は下の階の部屋を建てる必要はない。

下の部屋はなくとも、上階の建物は建つ’ 

この様な事は有り得ない!

同様に、比丘たちよ。

この様に言う人がいる:

’ 1、私は、苦聖諦を如実に証悟する必要がない。

2、苦の集聖諦を如実に証悟する必要がない。

3、苦の滅聖諦を如実に証悟する必要がない。

4、苦の滅に導く聖聖諦を如実に証悟しなくても、苦から完全に離れることができる。’

この様な事は有り得ない(netaṃ ṭhānaṃ vijjati)!”

上記の事は、完全に苦を止息したいのであれば、禅の修行者は、己自身が自ら慧を修して、四聖諦の各々の諦を証悟しなければならない事を、意味している。

(3-2につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。

<パオ・セヤドー著『涅槃証悟の唯一の道』 (原題「証悟涅槃的唯一之道」) 

中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>