Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

『涅槃証悟の唯一の道』 パオ・セヤドー著(6-4)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 

第二節 長短息

長息と短息

【(1)入息が長い時、’私の入息は長い。’と了知する:

出息が長い時、’私の出息は長い。’ と了知する:

(2)入息が短い時、’私の入息は短い。’ と了知する:

出息が短い時、’私の出息は短い。’ と了知する。】

ここで言う所の ”長きと短息” は、寸法の長短を言うのではなく、呼吸の長さ(addhāna)ーー時間の長短(注38)を言うーー禅修行者はそれを知っていなければならない。同時に、接触点において、息を知っているだけ、の状況を保つこと。

あなたは自分で、どれほどの時間を ”長い” といい、または ”短い” というかを決める事ができる。

あなたは、呼吸の持続する時間が、ある時には長く、ある時には短い事に気が付くであろう。この段階において、あなたがなすべき事は、それをあるがままに覚知する、ということだけである。

”入ー出ー長い” ”入ー出ー短い” と黙然してはならないし、呼吸が長いか短いかに注意を払ってはならない。

座禅・瞑想中の一座すべてにおいて、呼吸が長い時もあり、ある時は短いかもしれない。しかし、あなたは故意にそれを長く変化させたり、短く変化させたりしてはならない。

<注38>《清浄道論・入出息念論》(Ānāpānassatikhathā)では、呼吸の長さとは空間の長さまたは時間の長さであると解釈している。《清浄道論》の複註では、時間の長さに専注するべきでると解説している。

(6-5につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。

<『涅槃証悟の唯一の道』パオ・セヤドー著 (原題「証悟涅槃的唯一之道」) 

中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>