Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

『涅槃証悟の唯一の道』 パオ・セヤドー著(6‐22)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu> 

第三禅

第二禅を成就させた後、第三禅を修習したいと願うならば、あなたは先に、よく慣れた第二禅から出定して、その後に、第二禅の二つの欠点と、第三禅の一つの長所を、省察・思惟しなければならない。

それらは、それぞれに、以下の様である:

(1)第二禅の一番目の欠点は、尋、伺という、二つの粗くて劣った禅支を持つ初禅に近いため、容易に初禅に戻ってしまう事である。

(2)第二禅の二番目の欠点は、喜という粗くて劣った禅支を含むため、それが第二禅をして、喜のない第三禅ほどには、静寂を齎さない、という点である。

(3)第三禅の長所は、楽と一境性という二つの禅支しかないため、第二禅より更に、平静になる事である。

この様に省察・思惟した後、心は、喜というこの粗くて劣った禅支を求めず、楽と一境性という、この二つの静かな禅支だけを欲するという願望の元、安止を証得するまで、再び、入出息似相に専注する。

もし、あなたがこれまで第三禅を体験したことがないのであれば、この安止は、いまなお第二禅であり、喜禅支がいまだ存在している事を知らねばならない。

あなたは、第二禅に何分程か止まり、その後に第二禅から出定し、再度、禅支を省察・思惟する。この時、あなたは、喜禅支は非常に粗くて劣悪でるという事に気が付いて、楽と一境性は非常に静かである、という気持ちがするに違いない。

粗くて劣った禅支を取り除き、平静な禅支を保留するために、あなたが再度、入出息似相に専注すれば、非常に快速に、第三禅安止に入る事ができる。

その後、あなたは第三禅の五自在を、修習しなければならない。

(6-23につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。

<『涅槃証悟の唯一の道』パオ・セヤドー著(原題「証悟涅槃的唯一之道」) 

中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>