南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

『涅槃証悟の唯一の道』 パオ・セヤドー著(7-19)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>

現在世(=現世)において生起する所の、九種類の業生色法は、過去世またはもっと以前の、ある一世において、造(ナ)された業が、その原因である。

過去世において生起した業生色法は、その前世またはそのもっと以前の、ある一世において造(ナ)された業が原因である。

次の世において生起する所の業生色法は、すなわち、今生または今生より前の、どれか一世において造(ナ)された業が原因である。

●眼、耳、鼻、舌と身十法聚は、みな明浄である。というのも、それらの十番目の色法は、それぞれ眼浄色、耳浄色などの、明浄な色法であるが故に。

それらの作用は、それぞれ、色彩を見ることのできる眼識、音を聞くことのできる耳識などとして生起する所の、物質的依処である。

●心十法聚の中の心色の作用は、心識生起する時に依存する所の物質的依処である(禅相の説明の時、既出)。

●男性十法聚の中の男性色は、男性の性別の特徴を形成し、行為モジュールなどの原因となる。それは男性の身体全身に分布している。

同様に、女性十法聚の中の女性色は、女性の性別の特徴を形成し、行為モジュールなどの原因となる。それは女性の身体全身に分布している。

あなたが今生において、人間として生まれているという事、(+その為の)業生色法を生じる事のできる業は、諸々の布施(dāna)、持戒(sīla)、禅修(bhāvanā)などの善業(kusala)である。

それが一体何の種類の業であるかを、徹底的に知見するためには、あなたは、過去世の名法と色法を、識別しなければならない。

この様にして初めて、あなたは、己自身の業生色の生起する因を、理解することができる。

しかし、この種の智は、通常は、あなたが縁摂受智(paccayapariggahañāṇa)を修習する段階において、初めて獲得する事ができる。

今現在、あなたはただ、信心(=信仰)を通して、この九種類の色聚は、過去の業から生じたものであると、受け入れるしか方法はないのである。

(7-20につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。

<『涅槃証悟の唯一の道』パオ・セヤドー著(原題「証悟涅槃的唯一之道」) 

中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>