Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

『涅槃証悟の唯一の道』 パオ・セヤドー著(7-28)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>

”色” として観照する

六処と 42身分の中の、28種類の色法を識別するのは、何の為であろうか?

それは、身体が、これらの色法の生、住、滅を除いて、何か別の物がある訳ではない事を、了知する為である。

いわゆる霊魂、自我などはないのである。

これがなぜ、この段階において、それらすべては、色(rūpa)に過ぎない事を、照見する必要があるのか、というその理由である。

先に、六処の中の、63または 53種類の完成色を識別し、かつ可能な限り、その中の、非完成色を識別する。

次に、同時に、一つの処毎のすべての、これらの色法を識別し、かつ、それらは冷、熱、飢え、渇きと虫などの干渉によって変化する、その変化(ruppana)の相によって、それらを確定するのである。

地界の硬さの相は変化しないし、水界の流動性の相も変化しないし、火界の熱の相も変化しないし、風界の支持性の相も変化しないが、しかし、それらの強度は、変化する。

各種の色法の強度は、毎時間、毎一刻、変化しつづけている:

ある時は、熱さから冷たさへ、

ある時は、冷たさから熱さへ;

ある時は、硬さから柔らかさへ、

ある時は、柔らかさから硬さへ;

ある時は、粗さから滑らかさへ、

ある時は、滑らかさから粗さへ、など等;

それが冷たい時、その冷たさは、耐え難いほどまでに冷たくなることがある。

こうしたことから、一粒の色聚の中における、各種の色法は、不断に強度を変えながら、また、不断に相互に干渉し合っている(+事が分かる)のである。

あなたは、一つ一つの、処の中の、すべての色法を識別しなければならないが、また、この色法が、干渉を受けて変化する、その変化の相に基づいて、それらを確定しなければならない。

一つ一つの処の中のすべての色法に対して、同時にそれらを ”色、色”(rūpa、rūpa)または ”色法、色法”(rūpadhamma、rūpadhanma)と観照する。

同様の方法を用いて、42身分の一つひとつの部分も観照するのである。

(7-29につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。

<『涅槃証悟の唯一の道』パオ・セヤドー著(原題「証悟涅槃的唯一之道」) 

中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>