『涅槃証悟の唯一の道』 パオ・セヤドー著(9-14)
<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>
この段階において、我々は、禅修行者たちに対して、彼らが、これらの異なるグループの、11種類の五蘊の三相に関して行う観照に対して、修習・実践を強化できる様に、異なる方法を用いて、指導する事となる。
禅修行者が刹那刹那に、はっきりと、明確に、それらを照見できるとき、この種の観智は
”生滅随観智”(Udayabbayānuvassanā ñāṇa)と呼ばれる。
この観業処の修習の、初期の段階においては、あなたの観智は ”初観智”(taruṇa vipassanañāṇa)と呼ばれる。
この段階において、あなたは、これまで経験したことのない程の、光明を経験するかもしれない。その時、あなたは、名色の智に対して、以前に体験した事のないほどに、鋭利になるし、あなたはまた、以前に経験した事のない程の、喜を体験し、長期的な軽安を経験し、極めて殊勝な楽を体験し、非常に強い信心(=確信)と勝解を体験し、極めてバランスの取れた精進と、持久的な精進を体験し、非常に強固な正念と、中捨を体験するであろう。
経験の不足の為、あなたは、これらの体験が、道・果を証悟したものである、と誤解する可能性があるが、その結果、あなたは、それらに執着し始め、かつ、邪見と我慢(=傲慢、慢心)を増長させることがある。
故に、これらの体験を
”観の汚染”(vipassananupakkilesa)と呼ぶ。
それらは非常に危険である。
というのも、それらはあなたをして、正道から離脱せしめ、岐路に迷い込ませる可能性が、あるからである。
もし、あなたに、一人の賢明で、善くて巧みな教師がいたならば、あなたは、これらの経験をば、無常・苦・無我である、と知見する事ができる。
この種の方法は、あなたに再度、煩悩を鎮伏させ、正道に戻らせしめ、かつ、
”強力な観智”(balava vipassanāñāṇa)を、育成せしめることができる。
こうして、あなたは、観業処の第二段階を、完成する事ができた。
【[2.1]あるいは、身随観において、生起の法(samudayadhammā)所に住し、
[2.2]あるいは、身随観において、壊滅の法(vayadhammā)において住し、
[2.3]あるいは、身随観において、生起と壊滅の法(samudayavaya dhammā)に住する。】
(9-15につづく)
<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。
<『涅槃証悟の唯一の道』パオ・セヤドー著(原題「証悟涅槃的唯一之道」)
中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>