『涅槃証悟の唯一の道』 パオ・セヤドー著(10-1)
<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>
第四節 観業処の第四段階
最後の三種の観智
(14)道智(Magga ñāṇa):
この種の智は、一番最初の出世間観智であり、それは涅槃を所縁に、取るものである。
すべての世間的観智は、煩悩を鎮伏するだけであるが、しかし、道智慧ママは、段階を追って、煩悩を断じ除く事ができる:
入流道智は、いくつかの煩悩を断じ除く事ができ、
一来道智は、いくつかの煩悩を弱める事ができ、
不来道智は、いくつかの煩悩を断じ除く事ができ、
阿羅漢道智は、すべての残りの煩悩を余す所なく断じ除く事ができる。
(15)果智(Phala ñāṇa):
この種の道智の結果であり、道智に続いて、その直後に生起した所の、心識刹那である。
これもまた、涅槃を所縁に取る所の、出世間智である。
(16)省察智(Paccavekkhaṇa ñāṇa):
合計五種類の、世間に属する所の、省察智がある。
それらは、道・果智の後において生起し、道智、果智、涅槃、また、すでに断じ除いた所の煩悩と、いまだ残っている所の煩悩を、省察する。
阿羅漢道智の生起するその時においては、残留の煩悩は、存在しない。
最後の、この三種の智は、仏陀が、經の中において言及した所の、vipassanā の第四(+の段階)であり、また最後の段階、でもある:
【[4]彼は無所依(anissito)において住し、また世間の一切に執着しない(na ca kiñci loke upādiyati)。】
(10-2につづく)
<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。
<『涅槃証悟の唯一の道』パオ・セヤドー著(原題「証悟涅槃的唯一之道」)
中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>