般若の独り言~嫉を離れて
去年よく聞いた言葉に<嫉妬心>というのがあります。
人間にはみな嫉妬心があります。
何時の頃からか、人間が集団生活を始め、そして彼我のレベルを比べる時、「私の方が上」「否、下だ」と一喜一憂するのは、本能みたいなものかもしれません。
でも、この感情、まったくの<無駄>、ただの心理的<消耗戦>なのではないでしょうか?
私はある時に、ある善知識の方から
「あなたより優秀な人に出会ったら『どうぞ私を導いて下さい』と心の中で呼びかけなさい」
と教わってから以後、誰にも嫉妬しなくなりました。
知識が豊富な人、どうかそのおすそ分けを・・・。
お金持ちの人、どうかたまには奢って下さい(笑)。
大きなお屋敷の住人様、万一の災害の時には、お部屋の片隅に、避難させて下さいませ。
家庭円満な方、その秘訣をぜひ教えて下さい。
三毒から離れた人、大悟された方、聖者の方々、語らずとも、そのたたずまいの美しさ、その身教に感謝です・・・
と、どんな人、どんな方にも感謝と学びの心を持つことができます。
ついでに言えば、反面教師もまた然り。
人のふり見て我がふり直す・・・身表と口表の猛々しい人、思慮の浅い人、愚かな人、三毒の人もまた、我が師であります。
出会う人々、出会う事々皆我が師、嫉妬のいとまがございません。
<緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>