南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

翻訳『禅修指南』(3-40)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>

次に、これまでと同じく、目を閉じたまま、禅定の光を運用して、あなたに最も近い人またはその他の衆生を識別する。特に理想的なのはあなたの前方に位置する人が良い。

その人または衆生の32身分、頭髪から始めて尿まで識別し、その後に尿から逆に頭髪までを識別する。

この様に正順と逆順でもって、32の身体部分を、何度も識別する。

この様に修行した後、あなたは、己自身の内在する32身分を一度識別し、その後に外部に存在する他人の32身分を一度識別する。この様に交替で識別して、何度も不断に繰り返す。

この様に、内と外とで識別が出来る様になったならば、あなたの禅修の力は増強される。あなたはこの様に、近くから遠くまで、徐々に識別の範囲を広げていかねばならない。あなたは、自分が遠くの衆生を識別できないかも知れないと、心配する必要はない。第四禅の光の支援の下、あなたは簡単に遠方の衆生を見ることができる。それは肉眼でではなく、慧眼(ñāṇacakkhu)を用いて見ているのである。

あなたは十の方面に対して、識別の範囲を広げていく必要がある。すなわち:上、下、東、西、南、北、東北、東南、西北、西南である。

この十の方角の中にあるもので、識別の対象が人、畜生またはその他の衆生であっても、あなたは内在する32身分を一度識別し、その後に外部の身分を一度識別する。この様に何度も繰り返し修習する。

あなたが二度と、男性、女性、水牛、乳牛またはその他の衆生等の各種の区別・差異を見ることがなくなった時、如何なる時でも、内部であろうが外部であろうが、あなたが見るのはただ32身分の組み合わせに過ぎない。その時、あなたは、初めて、32身分の修法を成就し、熟練し、精通したのだと言える。

(3-41につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。

<本雅難陀尊者(Ven. U Puññānanda)著 『禅修指南』Meditation Guide 第二版

中国語→日本語 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>