Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

本雅難陀禅師アメリカ法話第一集-52(62/82)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>

▲【禅修行の成功】

一人の婆羅門が、仏陀に訊ねた:

仏陀ご在世の時代、仏法があり、聖弟子もいる。

私の禅修行は、どれほどの時間を掛ければ、成功するか?

仏陀は反問した:

あなたは、何の仕事をしていますか?

・・・私は、弓の教師です。

ある学生が、あなたについて、学ぼうとしています。しかし、彼はあなたに言う:

第一、私は、あなたを信じない。

第二、私は、あなたの教えを信じない。

第三、私は、よく病気をします。

第四、私は、怠け者です。

第五、私は、よく他人を騙します。

この様な学生を、あなたが指導する時、あなたは、どれくらいの時間を掛ければ、成功しますか?

・・・仏陀が言う所の五種類の学生、もし、その中の一種類でもあったならば、私には、彼を教えることなどできない。

同時に五つも欠点があるなんて!

引き続き、仏陀は言う:

もし、ある人間が、教師に対して、修法に対して、非常に信心(=確信)があって、健康で、非常にまじめで、心は単純で、他人を騙すことなどないならば、朝に学んで、午後には、煩悩を解脱する事ができる;

もし、そうでないならば、七日後には、煩悩を解脱する事ができる;

そうでないならば、7か月後に、煩悩を解脱する事ができる;

もっとも遅くて、7年あれば、必ずや煩悩を解脱する事ができる。

故に、あなた方は、焦ってはならない。

あなた方は教師に対して、修法に対して、信心(=確信)がなくては、ならない。

身体の健康を保ち、心は単純で、密集して業処に意識を保つよう、努力する。

この様にすれば、(+修行は)非常に速くに成功する。

あれら、思い悩む事を非常に好む人々の心は、静かにすることができない。

あるときには、呼吸を知るが、しかし、すぐにあれやこれやと、考え込む。

この様に人には、安般念がよい。

何等の目標もいらず、ただ軽々と、自然の呼吸に意識を保てばよいのであるから。

故に、仏陀は《大念処経》の中において、最初に「安般念」を説明したのである。

☆《慈心經》の中において、仏陀は以下の様に、開示する。

1、雑事少なく。禅の修行をしようとする者は、雑事は少ない方がよい。

2、護持しやすい。

3、指導を受け入れる。

4、驕慢でない事。

5、家族や友人に執着しない。

6、煩悩から解脱したい、という信念がある事。

・・・これらを具備して後、禅の修行を開始する事。

何の準備もないのに、ぼんやりしたまま、禅の修行に来る者は、座禅・瞑想の時に考え事をするし、家族の事を想い、家に帰りたがる;

慢心の重い者は、教えを虚心に受け取ろうとしないし、いつも他人と比較ばかりする。

この様な人間の心は、静まることがない。

(53につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。<翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>