Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

翻訳『禅修指南』3‐62

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>

第四禅の名法と、四無色界禅の中の名法は、同じものであるため、四種類の色界禅を修行していた時の様な、禅支の欠点を、思惟する必要はない。

色界第四禅の欠点を見て、かつ、それを厭離したならば、あなたは、無色界禅が色禅(ママ)より更に静かで、優れている事を、思惟しなければならない。

次に、あなたは、あなたの(地遍の)禅相を拡大して、十の方向に、際限のない様に、遍満させるか、または、あなたの好きなレベルにまで、拡大する。

その後に、遍処色(注10)が占有している空間に専注して、遍処色を除去し、「空、空(=空っぽ)」または「無辺空、無辺空」と黙然する。

こうして、残されたものは、遍処色が最初に占有していた所の無辺虚空だけになる。

もし、あなたがこの様に修習できないのであれば、あなたは、地遍禅の相の、ある一部分の空間を認識して、かつ、それを無辺の宇宙にまで拡大する。その結果、地遍禅の相全体は、無辺虚空によって取って代られる事になる。

投入する、という心態(尋心所)によって、引き続き、無辺虚空の相に専注し、「空、空(=からっぽ)」と、黙然する。

この様に専注し続けていると、あなたは、五蓋が降伏され、かつ、無辺虚空相を(+瞑想の)対象として、近行定に到達している事に、気が付くであろう。

ジャーナを証するまで、引き続き、無辺虚空相の専注し続け、その後に、五自在を修習する。

これが第一番目の無色界禅であり、すなわち、空無辺処禅である。

注10:心内に見る遍相。それは定心によって生じるイメージであり、真正なる色法ではないが、しかし、それは、外部の色法に依存して生起する為、色法の子の様であるので、色と呼ぶ。これは一種の比喩的な呼び名であるに過ぎない。

(3‐63につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。

<本雅難陀尊者著 『禅修指南』Meditation Guide 第二版

中国語→日本語 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>