南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

翻訳『禅修指南』4‐4

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>

あなたが好きでない人とは、あなたに対して、または、あなたに関係のある人に対して、有意義な事柄を、実践しない人の事を言う。

あなたが嫌いな人とは、あなたに対して、または、あなたに関係のある人に対して、有害な事柄を、実践する人の事を言う。

最初の段階において、あなたは、この二種類の人間に対して、慈愛を育成するのは、非常に難しい。というのも、往々にして、あなたは、彼らに怒りを感じるが故に。

修行の初めの段階において、あなたが好感も悪感も感じない人に、慈悲を育成するのも難しい。

あなたが極めて敬愛している人物に関して、あなたは、その人物に関連して、何かの事件が発生したと聞いたならば、彼らに執着しているのが原因で、彼らのために泣いたりし、心内に悲しみがあふれる。

この様であるから、最初の段階では、この四種類の人間を(+修行の)対象にしてはならない。

しかしながら、ジャーナに到達した後であれば、あなたは、彼らを修行の対象として、慈悲を育成する事ができる。

100年修行しても、あなたは、あなた自身を対象にして、ジャーナに到達する事はできない。

であるのに、なぜ、最初の段階において、己自身を対象にして、慈悲観の修行をするのか?

それは、近行定に到達するため(+の修行)ではなく、己自身への慈愛を育成した後であれば、あなたは己自身を鑑みて、他人に思いを寄せる事ができるからである:

まさに、あなたが安楽でありたいと思い、苦を受けたくない、長寿であり、死にたくないと、思うのと同じ様に、その他の一切の衆生もまた、安楽でありたいと思い、苦を受けたくない、長寿でありたい、死にたくないと思うのであるから。

この事に思いをはせることが出来たならば、あなたは、一切の衆生の、安楽と幸福を願う心を、育成する事ができる。

(4-5につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。

<本雅難陀尊者著『禅修指南』Meditation Guide 第二版

中国語→日本語 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>