南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

翻訳『禅修指南』4‐5

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>

仏陀は言う:

「一人の人間が、心をこめて、十の方角の、すべての場所を探しても、他人を愛するその程度が、己自身を愛する事より、超過している人を、見つけることができない。

同じ理由から、十の方向の、すべの衆生の、己自身を愛する事は、他人を愛する事より超過している。

故に、己自身に安楽を願う人間は、他人を害してはならない」

(相応部)

こうしたことから、己自身から出発して、他人を類推する為に、また、あなたの心を柔軟にし、友好的にする為に、あなたは、以下の四種類の意念でもって、己自身に対して、慈愛を育成しなければならない。

1、私に危険や困難がない様に願う

(ahaṁ avero homi)

2、私に精神的な苦痛がない様に願う(abyāpajjo homi)

3、私に身体的な苦痛がない様に願う

(anīgho homi)

4、私は己自身が、楽しく愉快に己自身を重んじ、自重する様に願う

(sukhi attānaṁ pariharāmi)

もし、ある人の心が柔軟で、友好的で、寛容であり、他人の為に想像力を働かせる事ができるならば、他人に対する慈悲を育成するのは難しくない。

故に、あなたが育成する所の、己自身に対する慈愛が、強くて力のあるものである必要がある。

この事は非常に重要である。

一たび、あなたの心が柔軟で、友好的で、他人への同情心と、寛容な心を備えたならば、あなたは、その他の衆生への慈愛を、育成する事ができる。

(4-6につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi> 

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。

<本雅難陀尊者著 『禅修指南』Meditation Guide 第二版

中国語→日本語 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>