翻訳『禅修指南』4‐5
<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>
仏陀は言う:
「一人の人間が、心をこめて、十の方角の、すべての場所を探しても、他人を愛するその程度が、己自身を愛する事より、超過している人を、見つけることができない。
同じ理由から、十の方向の、すべの衆生の、己自身を愛する事は、他人を愛する事より超過している。
故に、己自身に安楽を願う人間は、他人を害してはならない」
(相応部)
こうしたことから、己自身から出発して、他人を類推する為に、また、あなたの心を柔軟にし、友好的にする為に、あなたは、以下の四種類の意念でもって、己自身に対して、慈愛を育成しなければならない。
1、私に危険や困難がない様に願う
(ahaṁ avero homi)
2、私に精神的な苦痛がない様に願う(abyāpajjo homi)
3、私に身体的な苦痛がない様に願う
(anīgho homi)
4、私は己自身が、楽しく愉快に己自身を重んじ、自重する様に願う
(sukhi attānaṁ pariharāmi)
もし、ある人の心が柔軟で、友好的で、寛容であり、他人の為に想像力を働かせる事ができるならば、他人に対する慈悲を育成するのは難しくない。
故に、あなたが育成する所の、己自身に対する慈愛が、強くて力のあるものである必要がある。
この事は非常に重要である。
一たび、あなたの心が柔軟で、友好的で、他人への同情心と、寛容な心を備えたならば、あなたは、その他の衆生への慈愛を、育成する事ができる。
(4-6につづく)
<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。
<本雅難陀尊者著 『禅修指南』Meditation Guide 第二版
中国語→日本語 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>