般若の独り言~私は怒っている
先日、ある事件が起きて、私は今、大変に怒っています。
ゴータマ仏陀がご覧になったら
「いや、いや、sayalay たるもの、そんなに怒ってはいけないよ」
とおっしゃるでしょうか。
きっと、そうおっしゃるでしょう。
確かに、有情の身・心が、素粒子(のようなもの)で出来ている事を、深く納得した聖者方は、
「何事も、あなたも私も、エネルギーの流れに過ぎない」
「そうカッカしなさんな」
というでしょう。
でも、私は怒っています。
腹の底から怒っている自分を許します。
そして、己自身が偽善者でない事を祝福したい。
何事も素粒子のエネルギーの刹那の流れ、この世は斜めに見ておけ、というのは仏法の重要な真理の一ですが、それならば、ゴータマ仏陀は、なぜ、在家に五戒を制定し、出家に227条の戒・律を制定したのでしょうか?
そこには、人としてやってはいけない事がある、からではないでしょうか?
戒や律、これは世間諦であり、出世間諦から見れば、レベルの低い話になるでしょう。
しかし、実は、世間諦の分からない人は、出世間諦も分からない。
己自身の、日常の言動に反省の出来ない人、他者の痛みへの想像力の欠ける人は、ゴータマ仏陀の教えし、戒・定・慧の修行はできない。
故に私は、私が本物の聖者になるまでは、自分に正直に、今自分は怒っているのだ、という事を受け入れ、認めたいと思います。
<緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>