南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

般若の独り言~私は怒っている

先日、ある事件が起きて、私は今、大変に怒っています。

ゴータマ仏陀がご覧になったら

「いや、いや、sayalay たるもの、そんなに怒ってはいけないよ」

とおっしゃるでしょうか。

きっと、そうおっしゃるでしょう。

確かに、有情の身・心が、素粒子(のようなもの)で出来ている事を、深く納得した聖者方は、

「何事も、あなたも私も、エネルギーの流れに過ぎない」

「そうカッカしなさんな」

というでしょう。

でも、私は怒っています。

腹の底から怒っている自分を許します。

そして、己自身が偽善者でない事を祝福したい。

何事も素粒子のエネルギーの刹那の流れ、この世は斜めに見ておけ、というのは仏法の重要な真理の一ですが、それならば、ゴータマ仏陀は、なぜ、在家に五戒を制定し、出家に227条の戒・律を制定したのでしょうか?

そこには、人としてやってはいけない事がある、からではないでしょうか?

戒や律、これは世間諦であり、出世間諦から見れば、レベルの低い話になるでしょう。

しかし、実は、世間諦の分からない人は、出世間諦も分からない。

己自身の、日常の言動に反省の出来ない人、他者の痛みへの想像力の欠ける人は、ゴータマ仏陀の教えし、戒・定・慧の修行はできない。

故に私は、私が本物の聖者になるまでは、自分に正直に、今自分は怒っているのだ、という事を受け入れ、認めたいと思います。

  <緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>