般若の独り言~メタ仏法
本日、WEBでニュースを見ておりましたら、東京大学の
上野千鶴子名誉教授が、東大の新入生に、祝辞を述べた、とありました。
ジェンダー学を研究している上野教授なりの、パンチの利いたお話でしたが、彼女が最後の方で、こう言っています。
「東大生は、高校で教えられる、すでに解答のある課題を覚え、学ぶ事に優れています。が、社会というものに、正解はありません。正解は自分で見つけるか、己自身で価値を造り出すものです(要約)。」
そして、こうも言っています
「我々には、知識を生み出す知識、メタ知識が必要です。」
仏法を学び、実践していると、時々、下の様なタイプの人間に、出会います。
人生に、何らかの理由で、挫折した。
そうだ、今までの価値観は、捨ててしまおう。
何か、己を支えてくれる、新しい思想はないか?
ああ、あった!あった!
仏教だ!
仏教に出会えて、よかった、よかった。
で、次は、頭を仏法の理論で武装して、己自身と意見の合わない人と、またまた戦争を始める・・・。
ゴータマ仏陀は、そんな事は教えない。
我々は、色聚(素粒子)と法聚(心、心所)、すなわち、五蘊で出来ている。
それは刹那毎に変化しており、何等の実体も、何等の価値もない。
故に、己自身もまた、幻の様なもの・・・。
己自身の幻、己自身の顛倒夢想を受け入れるには、<メタなる智慧>が必要です。
仏陀の<メタなる智慧>は、日本の大乗やチベット密教の一部に見られる様に、すべてが幻ならば、規範や戒・律なんていらないさ・・・というものではありません(仏陀の<38種類の吉祥~吉祥經>参照の事)。
仏法の外部周縁に漂う、仏法の衣をまとった<小賢しい知恵>でなく、仏法の中心において咲き、香る<メタなる智慧>。
さて、このメタ、あなたは、東大生より先に、見つけることが出来るでしょうか?
<緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>