南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

翻訳『禅修指南』7‐20

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>

《三種類の音声》

1、入出息心生声(=音)九法聚:入出息の音。

2、語表十法聚:話をする時の声。

3、時節生声(=音)九法聚:胃の中の音、風の音等。

この三種類の音の中において、前の二種類は、生命を有するものにおいてのみ、出現する。

三番目は、生命を有するものにも、生命を有しないものにも出現する。

その声(=音)は、前の二種類には、含まれない所の、すべての音声を含む。

二番目は、観禅の目標にするには適当でない。

しかし、一番目と三番目は可能である。

《四個の相色の識別》

受胎と胚胎の中で成長する色法を、見ることが出来た時だけ、色集積(=色積集、upacaya)を見ることができる。

色相続(santati)、色老性(jaratā)、色無常性(aniccatā)に関しては、それぞれ、真実色法の生・住・滅であるに、過ぎない。

修行する時、先に、一粒の色聚を見て、その中の八、九、または十種類の色法を識別し、その後に、これらの真実色法が、同時に生起し、住し、滅するのを観察する。

その後、再び同時に、六処門と 42身体部分の中の真実色法の生、住、滅を遍照する。

全部の色聚が皆、同時に生じ、住し、滅するという事は有り得ない。

すべて(+の色聚)が、同一の段階にある、という事はない。

《諸々の色法を「色」と観ずる時刻》

先に、(+禅修行者は)一つの処門ごとの 54種類、または 44種類の真実色法を、それぞれ観察し、かつ、出来るだけ、それらの非真実色法を観察する様、尽力する。

一つの処門毎の、すべての色法が、変化の干渉を受ける相のある時刻を観察して、その後に、それらを「色、色」または「これらは色である」または「これらは色法である」と観ずる。

42身体部分に関しても、同様の方法を用いて、識別する。

ここで言う所の「変化の干渉を受ける相」というのは、諸々の色法の強度が変化して、例えば熱さから冷たさへ、硬さから柔らかさへ、粗さから滑らかさへ(+と変化する事を言うが)、しかし、それらの自性相(特徴)は、依然として、硬く、流動的で、熱く、また支持性を有しており、変化がない。

熱い時、体内の色法の熱さは、忍耐の出来ない程になる:冷たい時、その冷たさも、忍耐の出来ない程になる。

故に、色聚の中の諸々の色の強度は、不断に変化しており、それらは外部において、相互に、不断に干渉し合うのである。

《要約》

未だ色聚を見ていない時、あなたは地、水、火、風の四界を照見して、近行定(+を得られる)まで、定力を育成するべきである。

色聚を見る事が出来る様になったなら、一種類毎の色聚の中の、すべての色法、例えば:眼十法聚を、識別しなければならない。

あなたは、その中の、地、水、火、風、色彩、香、味、食素(=栄養素)、命根と眼浄色の十種類の色法を、識別するべきである。

その後に、再度識別する:

一個の処門の中のすべての色法、一つひとつの身体部分のすべての色法、すべての六処門の中の、すべての色法、すべての 42身体部分の中の、すべての色法。

それらのすべてが、変化の干渉を受けている相を見たならば、それらを「色、色」または「色法、色法」または「これらは色、これらは色」と観ずる。

(8-1につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。http://bodaijyubunko.sakura.ne.jp/index.html

<本雅難陀尊者(Ven. U Puññānanda)著 『禅修指南』Meditation Guide 第二版  中国語版→日本語訳出 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>