翻訳『禅修指南』8-14(110/520)
<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>
19個の遍一切美心心所
1、信(saddhā):
上に述べた、疑心所の八項目において、懐疑がなく、仏陀の功徳、法の功徳、サンガの功徳、戒・定・慧の三学、過去世、未来世、縁起を、深く信じる事。
2、念(sati):
浮いて漂う瓢箪の様ではなく、水に沈んだ石の様である。
それは、相応する心と心所をして、仏、法等の善所縁に、「沈み入ら」せしめる。
心は安定して、所縁に覚醒し、所縁を忘れない。
3、慙(hiri):
悪法と悪行に羞恥を覚える。
4、愧(ottappa):
悪法と悪行に恐れを感じる。
5、無貪(alobha):
心は「世間」(lokiya)の所縁に執着しない。
すなわち、「私、私のもの」として執着しない。
6、無瞋(adosa):
心が所縁に対して、粗暴でない事;
破壊しない事。
7、中捨性(tatramajjhattatā):
相応する心及び心所が、所縁に対して適切(+な状況を)保持して偏向せず、我慢(=傲慢等)と昏沈睡眠を離れる事。
捨でもって、所縁に対処する事。
8、身軽安(kāyapassaddhi):
諸々の心所が軽安である事。
9、心軽安(cittapassaddhi):
心が軽安である事。
10、身軽安性(kāyalahutā):
諸々の心所が軽安である事。
11、心軽安性(cittalahutā):
心の軽安。
12、身柔軟性(kāyamudutā):
諸々の心所が柔軟である事。
13、心柔軟性(cittamudutā):
心が柔軟である事。
14、身適業性(kāyakammaññatā):
諸々の心所が適業である事。
15、心適業性(cittakammaññatā):
心が適業である事。
16、身練達性(kāyapāguññatā):
諸々の心所が練達である事。
17、心練達性(cittapāguññatā):
心の練達。
18、身正直性(kāyajukatā):
諸々の心所が正直であり、虚偽的でなく、欺瞞的でない。
欺瞞(māyā)とは、己の悪行、過失を粉飾する事。
虚偽(sātheyya)とは、己自身にない品徳、素養を顕示する事。
19、心正直性(cittajukatā):
心が正直である事。虚偽と欺瞞の無い事。
(8-15につづく)
<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。http://bodaijyubunko.sakura.ne.jp/index.html
<本雅難陀尊者(Ven. U Puññānanda)著 『禅修指南』Meditation Guide 第二版 中国語→日本語 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>