翻訳『禅修指南』8-18
<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>
ここにおいて、註釈は、触の五法(phassa pañcamaka)を解説しているが、すれはすなわち、触を主とした、触、受、想、思、識の五種類の名法(+を言うのである)・・・というのも、それらは一切の心の中において、最も主要な構成要素であるからである。
同じ一つの心識刹那(cittakhaṇa)において生起する所の、諸々の名法の中において、最も重要な触思(phassa cetanā)を識別する時にはまた、その他の主要(apadhāna)な、相応する所の名法、行蘊に属する所の一切の究極法をも含めて、識別しなければならない。
上に述べた、註釈と疏鈔の教えに基づけば、触、または受、または識を、それぞれ名法を識別する修習の初めとする時、一個の心識刹那の中の触、または受、または識を識別しさえすればよい、というのではなく、すべての、相応する所の、心と心所を識別しなければならない。
この事は、仏陀が《相応部・六処品・不通解經》(Saṁyutta Saḷāyatana Vagga、Aparijānana Sutta)において、開示しているものである。
《再度の色法の識別》
触の五法を主とした名法を識別した後、禅修行者は、以下に述べる通りに、再度色法を識別するべきである。
kim nidditāti upadhārento
’vatthuṁ nissitā'ti pajānāti.
Vatthu nāma karajakāyo.
So atthato bhūtāni ceva
upādārūpāni ca.
ーー触の五法を主とする名法を識別した後、再度、これらの名法は、何によって生起するのかを審察すれば、彼は、それらは依処色(vatthu rūpa)に依存して生起する事が、明確に分かる。
依処色とはすなわち「所生身」(karajakāya)である。所生身とは、すなわち、種色(bhūta rūpa)と所造色(upādā rūpa)である。
この註釈の指示に基づけば、名法が依存する所の、依処色を識別すると言う事は、しかし、眼浄色等の依処色を識別するだけでよい、というのではなく、当該の依処色と同時に生起する所の種色と所造色、例えば、眼門にある 54種類の真実色法及び、ある種の非真実色法もまた、識別しなければならない、という事である。
(8-19につづく)
<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。http://bodaijyubunko.sakura.ne.jp/index.html
<本雅難陀尊者(Ven. U Puññānanda)著 『禅修指南』Meditation Guide 第二版 中国語→日本語 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>