南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

翻訳『禅修指南』8-36

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>

声(=音、以下同様)所縁グループの識別方法

まず、耳浄色と有分透明界(意門)を同時に、識別する。その後に音を聞く。

逐一、六種類の方式で音を作意する。

すなわち、それを(1)音声、(2)色法、(3)無常、(4)苦、(5)無我、(6)不浄であると、見做すのである。

色所縁グループと同じく、一つひとつの種類毎の作意において、四種類の心を識別する。

すなわち、喜と智があるかどうかを、識別するのである。

香所縁グループの識別方法

先に、鼻浄色と有分透明界(意門)を同時に識別し、その後に、一粒または多くの粒の色聚の匂いを識別する。その他の識別法は、上に述べた通りである。

味所縁グループの識別方法

先に、舌浄色と有分透明界(意門)を同時に識別し、その後に、一粒または多くの粒の色聚の味を識別する。その他の識別法は、上に述べた通りである。

触所縁グループの識別方法

先に、身浄色と有分透明界(意門)を同時に識別し、その後に、最も身浄色に近い所の、一粒または多くの粒の色聚の中の地界、または火界、または風界を識別する。

その他の識別法は、上に述べた通りである。

触所縁グループの中で、もし、触所縁が喜ばしい(iṭṭha)ものであれば、身識(kāyaviññāṇa)には、楽受が存在する。

反対に、もし、触所縁が喜ばしいものでない(aniṭṭha)時、身識には苦受(dukkha vedanā)が存在する。

この段階において、禅修行者は、脳内に、智慧があるかどうかを、己自身で体験する事ができる。

《アビダンマ》によると、脳は一塊の色聚にしか過ぎない。

色業処の修習をする時、禅修行者はすでに、脳内の、44種類の色法を、徹底的に識別する事が出来ている。

この時、彼は、再度、脳内の、44種類の色法を識別しなければならない。

その後に、身浄色と有分透明界(意門)と、身浄色の近くにある一粒または一塊の色聚の中の、地界、または火界、または風界を、同時に識別する。

(地、火、風)の内の一つの触界が、有分透明界(意門)と、脳内の身浄色(身門)を打つとき、触界を所縁として取る所の、身門と意門心路過程が、生起する。

もし、これらの心路過程の中の、確定と意門転向が、如理作意を擁している(すなわち、それを地、火、風または色法、または無常であると、確定する)ならば、「大善速行心路過程」(mahākusala javana vīthi)が生起する。

もし、速行心が、喜俱智相応である場合、34個の名法が存在する。

この 34個の名法は、心所依処色に依存して、また、有分透明界(意門)を縁にして、生起する。

脳内の身浄色に依存して生起するのは、身識であり、ただ、一心と7心所のみあって、智はない。

(8-37につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。http://bodaijyubunko.sakura.ne.jp/index.html

<本雅難陀尊者(Ven. U Puññānanda)著 『禅修指南』Meditation Guide 第二版  中国語→日本語 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>