<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>
信、慧(正語、正業、正命)
離心所を擁する速行名法の中の「信」は、業報の法則に信心(=確信)を有し、戒法の教えを信じる事を言う。
「慧」は、業報の法則を知っている事を言い、すなわち「自業正見」(kammassakatā sammādiṭṭhi)である。
(表7-7:法所縁グループー離心所(意門心路過程)~略)
悲(karuṇā)
悲とは、痛苦の中にある有情(dukkhita)を救いたいと思う事である。
有分透明界(意門)、及びあなたが救いたいと思っている一人の有情を、所縁とする。
喜俱智相応の速行名法は、信慧グループの 34個の名法に悲を加えたもので、合計 45個の名法が存在する。
四種類を識別する。すなわち、喜と智があるかどうか(+を識別する)。
喜(mudītā)
喜は、有情の楽しさを随喜するものである。有分透明界(意門)と、一人の楽しい有情を所縁として取る。
ここにおいて、もし、未だ喜心ジャーナ(muditā jhāna)を証得していないのであれば、ただ悦受(somanassa vedanā)のみが、速行の中において、出現する。
故に、ただ、二種類を識別する。
すなわち、智相応であるかどうかを。
もし、智不相応であるなら、ただ 34個の名法が存在するだけである。
すなわち、33個に、喜を加えたものである。
阿那律大長老(Ven. Anuruddha Mahāthera)によると、すでに喜心観を修習して、喜心ジャーナ(安止定)を得た禅修行者は、禅修の力によって、近行定の速行心の中において、捨受が存在し得る、という。
故に、すでに、喜心ジャーナを証得した禅修行者は、「喜、智」の四種類(pīti、注意:この喜は、pītiであって、muditā ではない)を識別する事ができる(+と言える)。
この二種類の、近行定の悲心観と喜心観は、概念の衆生を法所縁として取るが故に、速行の後に、彼所縁は存在しない。
(表7-8:法所縁グループーー無量心所(欲界速行意門心路過程)~略)
信、慧(悲、喜)
無量心所を擁する速行名法の中の「信」は、業報の法則に対して、信心(=確信)がある事を言う。
「慧」は、業報の法則を理解している事を言い、すなわち、「自業正見」(kammassakatā sammādhiṭṭhi)である。
この二個の「信」と「慧」は、悲心と喜心速行の前、遍作、近行から来る所の、欲界速行の中の名法の説明である。
(8-40につづく)
<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。http://bodaijyubunko.sakura.ne.jp/index.html
<本雅難陀尊者(Ven. U Puññānanda)著 『禅修指南』Meditation Guide 第二版 中国語→日本語 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>