南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

翻訳『禅修指南』8-39

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>

信、慧(正語、正業、正命)

離心所を擁する速行名法の中の「信」は、業報の法則に信心(=確信)を有し、戒法の教えを信じる事を言う。

「慧」は、業報の法則を知っている事を言い、すなわち「自業正見」(kammassakatā sammādiṭṭhi)である。

(表7-7:法所縁グループー離心所(意門心路過程)~略)

悲(karuṇā) 

悲とは、痛苦の中にある有情(dukkhita)を救いたいと思う事である。

有分透明界(意門)、及びあなたが救いたいと思っている一人の有情を、所縁とする。

喜俱智相応の速行名法は、信慧グループの 34個の名法に悲を加えたもので、合計 45個の名法が存在する。

四種類を識別する。すなわち、喜と智があるかどうか(+を識別する)。

喜(mudītā)

喜は、有情の楽しさを随喜するものである。有分透明界(意門)と、一人の楽しい有情を所縁として取る。

ここにおいて、もし、未だ喜心ジャーナ(muditā jhāna)を証得していないのであれば、ただ悦受(somanassa vedanā)のみが、速行の中において、出現する。

故に、ただ、二種類を識別する。

すなわち、智相応であるかどうかを。

もし、智不相応であるなら、ただ 34個の名法が存在するだけである。

すなわち、33個に、喜を加えたものである。

阿那律大長老(Ven. Anuruddha Mahāthera)によると、すでに喜心観を修習して、喜心ジャーナ(安止定)を得た禅修行者は、禅修の力によって、近行定の速行心の中において、捨受が存在し得る、という。

故に、すでに、喜心ジャーナを証得した禅修行者は、「喜、智」の四種類(pīti、注意:この喜は、pītiであって、muditā ではない)を識別する事ができる(+と言える)。

この二種類の、近行定の悲心観と喜心観は、概念の衆生を法所縁として取るが故に、速行の後に、彼所縁は存在しない。

(表7-8:法所縁グループーー無量心所(欲界速行意門心路過程)~略) 

信、慧(悲、喜)

無量心所を擁する速行名法の中の「信」は、業報の法則に対して、信心(=確信)がある事を言う。

「慧」は、業報の法則を理解している事を言い、すなわち、「自業正見」(kammassakatā sammādhiṭṭhi)である。

この二個の「信」と「慧」は、悲心と喜心速行の前、遍作、近行から来る所の、欲界速行の中の名法の説明である。

(8-40につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。http://bodaijyubunko.sakura.ne.jp/index.html

<本雅難陀尊者(Ven. U Puññānanda)著 『禅修指南』Meditation Guide 第二版  中国語→日本語 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>