<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>
仏随念(Buddhānussati)
もし、すでに、四護衛禅を修習した事があるのならば、禅修行者は、仏陀の功徳を所縁とする、意門大善速行心路過程をも、識別するべきである。
喜俱智相応の速行名法は、信慧グループの、34個の名法である。
仏随念の修習は、近行定に到達する事ができるだけであるので、速行はただ、七回だけ出現する。
彼所縁は、生起する時もあれば、生起しない時もある。
仏陀の功徳は、世間功徳と出世間功徳の、二種類がある。
仏陀の世間功徳は、近行定の功徳(仏陀の布施と持戒の功徳)、観禅 vipassanā の智慧功徳、開示の功徳と、一切知智の功徳等々である。
もし、仏陀の世間功徳を、仏随念の業処として修行するのならば、所縁が欲界所縁である為、修行する禅修行者において、生起する心路過程は、欲界大善速行である。
もし、所縁が明晰所縁である場合、心路過程の中の速行の後に、彼所縁が存在する。
反対に、もし、所縁が不明晰所縁であるならば、速行の後に、彼所縁は存在しない。
しかし、仏陀の究極功徳の状態に入るのは、容易ではない。
次に、仏陀の安止定の功徳、神通の功徳は、広大唯作法の世間功徳に属する。
もし、広大唯作法の世間功徳と、出世間智慧の功徳を所縁として、仏随念を修習するのならば、所縁が非欲界所縁である為、禅修行者の心路過程の中の速行には、彼所縁は存在しない。
仏随念を修習する時、もし、彼所縁がないのであれば、有因彼所縁、無因彼所縁は共に、出現する可能性がある。
しかし、所縁が極可喜(極めて喜ばしい)の関係上、悦受相応の推度彼所縁は、生起する。
仏陀の功徳を、仏随念業処として修行する時、極可喜(=極めて喜ばしい)所縁悦受相応の、四種類の、悦受有因大善果報所縁と、一種類の無因悦受相応の推度彼所縁は、その両方共に、出現する可能性がある。
また、捨俱相応の速行の後、悦受彼所縁は、非常に出現しにくい。
極可喜所縁悦受相応の関係上、捨俱相応の速行の後、捨俱相応の彼所縁は出現しない。
この部分は、修習の時に、明確に調べる必要がある。
実修の方法:
1、心を意門(有分透明界)に保つ。
2、己自身の好きなものの中から、仏陀の功徳の一種類を選ぶ。
3、意門において、仏陀の功徳を得ることができたならば、次には、意門心路過程内の、複数の名法を修習する。
(8-41につづく)
<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。http://bodaijyubunko.sakura.ne.jp/index.html
<本雅難陀尊者(Ven. U Puññānanda)著 『禅修指南』Meditation Guide 第二版 中国語→日本語 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>