南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

翻訳『禅修指南』8-46

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>

貪慢グループ――四種類

これは、貪見グループと、ほぼ似たようなものである。

ただ、「邪見」が「我慢(=慢心)」に、変っただけである。

それは、20、または 19、または 22、または 21個の名法が存在する。

ただし、我慢とはただ、「時に生起する心所」(kadāci cetasika)であって、故に、ある時には、我慢は、この中に含まれない時がある。

もし、我慢がないのであれば(同時に邪見もない)、ただ、19-18-21-20個の名法があるのみである。

四種類を識別する。

四種類の貪見に四種類の貪慢を加えると、合計八種類の貪根心(lobhamūla citta)が存在する。

瞋グループーー二種類

(1)

識    1

通一切心所(喜を除く)  12

遍一切不善心心所      4

瞋            1

合計           18

(2)もし、有行であれば、昏沈と睡眠を加え、18+2=20になる。

瞋嫉グループーー二種類

(1)

上に述べた瞋グループの心と心所 18

嫉                1

合計              19

(2)もし、有行であれば、昏沈と睡眠を加えて、19+2=21になる。

瞋慳グループーー二種類

(1)

上に述べた瞋グループの心と心所   18

慳                 1

合計                19

(2)もし、有行であれば、昏沈と睡眠を加えて、19+2=21になる。

瞋後悔グループ――四種類

(1)

上に述べた瞋グループの心と心所  18

後悔               1

合計               19

(2)もし、有行であれば、昏沈と睡眠を加えて、19+2=21になる。

すでになした悪業を所縁に取り、無行と有行の二種類を識別する。

次に、今まで実践した事のない善い事を所縁に取り、無行と有行の二種類を識別する。

痴掉挙グループーー 一種類

識  1

遍一切心心所  7

尋・伺・勝解と精進(喜及び欲不相応)4

遍一切不善心心所          4

合計               16

 

痴疑グループーー 一種類

識       1

遍一切心心所  7

尋・伺と精進(勝解、喜及び欲不相応)3

遍一切不善心心所          4

疑                 1

合計                16

《アビダンマッタサンガハ》(Abhidhammatthasaṅgaha)の中において、以下の様に言う:

12種類の不善速行を含む、29種類のすべての欲界速行(kāma javana)は、皆、五門及び意門心路過程に出現する可能性がある。

《大念処経》で仏陀は以下の様に言う:

心随観(cittānupassanā)の段階において、貪欲(rāga)と同時に生起する所の、「有貪欲心」(sarāga citta)を観照しなければならない;

瞋(dosa)と同時に生起する所の「有瞋心」(sadosa citta)を観照しなければならない;

痴と同時に生起する所の、「有痴心」(samoha citta)を観照しなければならない。

初心者は、先に、28種類の色法の内の一つを所縁として取る不善名法を識別する。最後には、28種類すべてを採用(+して識別する)。

識別する時、ある種の禅修行者は、ある種の不善名法グループは、識別するのが、困難であると感じる事がある。

この様であれば、彼は先に、金、玉、紙幣、車、衣服などの、密集の概念を所縁として取る所の、不善名法を識別する。

この様にすれば、それらに対する理解が、進むが故に。

(8-47につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。http://bodaijyubunko.sakura.ne.jp/index.html

<本雅難陀尊者(Ven. U Puññānanda)著 『禅修指南』Meditation Guide 第二版  中国語→日本語 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>