翻訳『禅修指南』8-49
<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>
究極眼浄色を所縁として取る
貪見グループ識別の修法
ここでは、眼浄色を所縁とする貪見グループの不善名法を例にとって説明する:
先に、有分透明界(意門)を識別し、その後に(眼十法聚を識別した後)、眼浄色を所縁に取る。
眼浄色が意門を打つ時(または意門に出現する時)、眼浄色を所縁として取った所の、意門心路過程は生起する。
意門転向がそれを上(subha、美)であると確定する。これは不如理作意であるが故に、楽と思い、浄と思う貪見グループ速行は生起する。
不如理作意は、不善法の近因である。
眼浄色を常、楽、我と確定するか、または省察するのも、また同様である。
八種類の貪根心の中において、四種類が邪見と相応する。
もし、喜俱であれば、喜(pīti)があり;もし、捨俱であれば、喜はない。
もし、有行であれば、昏沈と睡眠がある;
もし、無行であれば、昏沈と睡眠はない。
行とは、ここにおいては、己自身または他人の唆し、または激励によって、貪や、瞋が生起するのを言う。
理解し易い様に、以下において、眼浄色を所縁として取る所の、貪見グループ(喜俱行)の 20個の名法を列挙する。
1、識:眼浄色を「擁する」。
2、触:眼浄色に接触する;その作用は、眼浄色と識を連結する。
3、受:所縁を体験する(somanassa vedana:悦受)。
4、想:心内に所縁を標記する(浄として)。
5、思:相応する心と心所を所縁に向かわせるか、導く。
6、一境性:心をしてただ一個の所縁に向かわせる;
相応する心と心所に散乱を齎さない。
7、命根:相応する名法を所縁において保護または保持する。
8、作意:相応する法を、所縁に向かわせる様、コントロール(制御)するか、押し出す。
9、尋:相応の法を所縁に投入する。
10、伺:所縁を重複して省察する。
11、勝解:所縁を確定する(浄として)。
12、精進:貪欲が生起する様、尽力する。
13、喜:所縁を喜ぶ。
14、欲:所縁を欲しいと思う(欲望)。
15、痴:所縁が不浄であるという、真実なる本性を知らない;
所縁を浄だと錯覚する。
16、無慙:貪見などの不善法の生起に対して、恥を知らない。
17、無愧:貪見などの不善法の生起に対して、怖れを知らない。
18、掉挙:心の散乱;平静でない事。
19、貪:所縁を「私のもの」と執着する事;
所縁を渇愛する;
所縁を執取する。
20、邪見:所縁を浄であると、誤解して信じる。
(8-50につづく)
<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。http://bodaijyubunko.sakura.ne.jp/index.html
<本雅難陀尊者(Ven. U Puññānanda)著 『禅修指南』Meditation Guide 第二版 中国語→日本語 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>