Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

翻訳『禅修指南』8-53

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>

《威儀路明覚》

(iriyāpatha sampajañña、行住坐臥明覚)

行住坐臥明覚及び、行動明覚(たとえば、前進、後退、前を見る、横を見る、手足を曲げる、手足を伸ばす):

1、四界を識別する事ができるならば、これらの姿勢と行動の中において、四界を識別する。

2、色法を識別する事が出来るならば、これらの姿勢と行動の中において、色法を識別する。

3、名法を識別する事ができるならば、これらの姿勢と行動の中において、名法を識別する。

4、名色と色法の区別が出来るならば、これらの姿勢と行動の中において、名法と色法を区別する。

5、名色と色法の差別が出来るならば、これらの姿勢と行動の中において、名法と色法を差別する。

もし、上に述べた様に、識別する事ができたならば、すなわち、五蘊を識別している事になる。

というのも、色法は色蘊であり、一つひとつの心識刹那の中の名法とは、すなわち、受、想、行と識の四組、すなわち、四個の名蘊に、分ける事ができるからである。

一つひとつの、心識刹那の中において、受と想を除いて、その他の心所は、皆、行蘊(saṅkhāra khandha)に属する。

禅修行者は必ず、五蘊の識別方法を、了解しなければならない。

すなわち:

歩くとき、ただ五蘊のみがあり;

立つとき、ただ五蘊のみがあり;

座る時、ただ五蘊のみがあり;

横になる時、ただ五蘊のみがあり;

前進する時と後退する時、ただ五蘊のみがあり;

前を見る時も横を見る時も、ただ五蘊のみがあり;

手足を曲げる時も伸ばす時も、ただ五蘊のみがあり;

鉢を持ち、袈裟を着る時も、ただ五蘊のみがあり;

食べる時、飲む時、噛む時、味わう時も、ただ五蘊のみがあり;

大小便の時も、ただ五蘊のみがあり;

行住坐臥、眠る時、目覚める時、話す時、及び沈黙する時、ただ五蘊のみがある。

(《大念処経註》の「威儀路明覚編」Commentary to the section on iriyāpatha‐sampajañña of the Mahāsatipaṭṭhāna Sutta)

(8-54につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。http://bodaijubunko.sakura.ne.jp/index.html

<本雅難陀尊者(Ven. U Puññānanda)著 『禅修指南』Meditation Guide 第二版  中国語→日本語 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>