<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>
《三世間遍知(3 lokiya pariññā)》
(一)所知遍知(ñāta pariññā)
若し、人が智でもって、各々の縁起支(すなわち、無明、行、識、名色、六処、触、受、愛、取、有、生、老死などなど)の相(lakkhaṇa)、作用(rasa;また作味とも)、現起(=現象)(paccupaṭṭhāna)及び近因(padaṭṭhāna;また足処とも)を、徹底的に、明確に、識別する事ができたならば、この智は、名色分別智と言う。
もし、人が、それらの因と縁を徹底的に、例えば「無明に依りて、行生じ;行に依りて、識生じ・・・」を、明確に了解する事ができたならば、この智とはすなわち、縁摂受智(paccaya pariggaha ñāṇa)である。
この二種類の智(すなわち、名色分別智と縁摂受智)は、所知遍知と呼ばれる。
この二種類の智が所知遍知と呼ばれるその理由は、それらは、知るべき事柄を明らかにし、また分別し、また、観禅の目標(所縁)となる行法(sankhāra dhammā)であるからである。
(二)度遍知(tīraṇa pariññā)
思惟智(sammasana ñāṇa)と生滅智(udayabbaya ñāṇa)の二者は、智でもって、各々の縁起支の無常相、苦相、無我相を観照した後、それらを無常・苦・無我であると審察、確定する事ができる時、この二者の智は、度遍知と呼ばれる。
これは、12因縁法(縁起法)の無常相、苦相、無我相を審察し、確定する審察慧である。
(三)断遍知(pahāna pariññā)
壊滅智(bhaṅga ñāṇa)から始まる観智は、12縁起支の滅を、徹底的に観照した後、再度、順序良く、それらの三相を、観照する。
(+その時)暫定的(tadaṅga)に、個別の煩悩(kilesa)を、断じ除く。
これら、12縁起支の滅の無常相、苦相、無我相を識別し、了解する智慧は、断遍知と言う。
以上が三世間遍知(+の説明)である。
(9-3につづく)
<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。http://bodaijubunko.sakura.ne.jp/index.html
<本雅難陀尊者(Ven. U Puññānanda)著 『禅修指南』Meditation Guide 第二版 中国語→日本語 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>