<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>
《随覚知と通達知》
Ananubodhāti ñātapariññāvasena
ananubujjhanā appaṭivedhāti
tīraṇappahāna pariññāvasena
apaṭivijjhana.(《長部註》)
疏鈔の説明によると:
anuanubujjhanaṭṭhena anūbodho、
(一)名色分別智によって、識別しなければならない名色法。
及び
(二)縁摂受智によって、識別しなければならない因果関係。
という、この二者の作用は、それらを、一度だけ識知すれば成就する、というものではない。
それらを、何度も繰り返し識知して、初めて成就する事ができる。
故に、名色分別智と縁摂受智は、随覚智である、と言える。
随覚智によって、明確になったものは、随覚知である。
これは所知遍知である。
度遍知と断遍知でもって、(+識知したならば)、通達知と言う。
観智は、間接的には、断遍知と呼ばれる。
断遍知(+こそ)は、真正なる聖道の名称である。
故に、度遍知と断遍知は、徹底的に、名を苦諦と言う所の名色法、及び名を集諦と言う所の、12縁起を了知し、道果を証悟したならば、それは通達知である。
この二智は、すなわち、
(一)己自ら徹底的に、過去、現在と未来の、三時の中の、12縁起支を了知する事、たとえば、これは無明、これは行、等などである。
また
(二)己自ら徹底的に、それらの因果関係を了知する事。たとえば、行が生起するのは、無明が原因であるなど、これは随覚知である。
己自ら、徹底的に、12縁起支の無常相、苦相と無我相を了知して、道果を証悟したならば、それは通達知である。
もし、人が、随覚知と通達知でもって、12因縁を如実に知見する事ができないのであれば、彼は、生死輪廻から、解脱する事はできない。
唯一、己自ら、それらを知見した後初めて、彼は生死輪廻を、解脱する事ができるのである。
(9-5につづく)
<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。http://bodaijubunko.sakura.ne.jp/index.html
<本雅難陀尊者(Ven. U Puññānanda)著 『禅修指南』Meditation Guide 第二版 中国語→日本語 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>