南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

翻訳『禅修指南』9-15

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>

《心(すなわち智)を過去に向かわせる》

先に、順序に従って、定力を育成する。

次に、内部と外部の名色法を識別し、了知する。

特に、第六グループの名色によって、過去を識別する。

この方法を採用する、禅修行者の多くは、成功する事が多い。

先ほど発生したばかりの、過去の名色法の、識別から始める(これは、宿住随念の段階である。後ほど、どの様にして、因果関係を識別するのかを、説明する)。

まだ座禅・瞑想する前に、禅修行者は先に(蝋燭、または灯)の光、または水、または花を、仏陀に供養しなければならない。

その後に、発願する。

もし、いまだ涅槃を証得しておらず、輪廻を継続する必要がある場合、来世は、比丘になりたいと願う、または女性になりたいと願う、など等(個人の願望に依る)。

願を発した時に生起した所の、心路過程を識別する。

その後、座禅・瞑想する時、順序に従って、定力を育成する。

その後に、内外の名色法を、識別する。

特に、法所縁グループの、善名法を主とする。

もし、禅修行者が止行者である場合、彼は、ジャーナ名法(jhāna nāma dhamma)を識別する事を、主としなければならない。

その光が、非常に強くなった時、比丘または女性になりたいと願を発した時、涅槃を証悟したいと願を発した時、先ほど、仏陀に光の供養、または水の供養、または花の供養をした時の、心路過程を識別する様、チャレンジする。

これらの名法を識別する時、先に、それらが依存している所の、心所依処(hadayavatthu)、及び心臓の中の、54種類の色法を、識別しなければならない。

その後に、心所依処に依存して生起する所の、有分心を、識別する。

有分心を識別した後、有分心の前後を識別する。それは、有分心(+と有分心)の間に生起する所の、名法を識別するのであるが、それがすなわち、心路過程である。

これらの名法を識別できる様になったならば、それらは、座禅・瞑想する前に発した願の、心路過程と同じであるかどうか、を調べてみる。

もし、同様であれば、彼は、最も近い過去の、名色を、識別する事ができたのだと言える。

もし、禅修行者が止行者である場合で、梵天に生まれたいと発願するならば、彼を当該の界に生まれさせ得る所のジャーナを、充分に修習しておかねばならない。

たとえば、当該のジャーナが、第四禅である場合、再度第四禅に入る。

彼は第四禅に入る前、または入った後、梵天になりたい、または己が、梵天の様な傾向の生活に向かう様にと、発願する事ができる。

「発願」または「内心の傾向」とは、無明、愛及び取が、最も顕著な煩悩輪転(kilesavaṭṭa)を造(ナ、以下同様)しているのである。

当該のジャーナに、何度も入るという事は、すなわち、業輪転(kammavaṭṭa)を、造しているのである。すなわち、行と業である。

その後、次に、その煩悩輪転の名法、業輪転名法、及びこれらの名法の依存する所の処色を識別する。

もし、これらの名色法を、識別する事ができたならば、彼は、最も近い、過去の名色を識別できたのだと言える。

この様に、過去の名色を識別する時、心所依処色及び、有分心を識別する事を、主としなければならない。

(9-16につづく)

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。http://bodaijubunko.sakura.ne.jp/index.html

<本雅難陀尊者(Ven. U Puññānanda)著 『禅修指南』Meditation Guide 第二版  中国語→日本語 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>

 

(9-16につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。http://bodaijubunko.sakura.ne.jp/index.html

<本雅難陀尊者(Ven. U Puññānanda)著 『禅修指南』Meditation Guide 第二版  中国語→日本語 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>