南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

翻訳『禅修指南』9-16

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>

《煩悩輪転及び業輪転》

前に述べた、生死輪転(saṁsāravaṭṭa)を引き起こす所の、無明、愛、取、行及び業(avijjā、taṇhā、upādāna、saṅkhāra、kamma)に関して、ここにおいて、更に一歩進んで、解説する。

上に述べた、一番目の発願の例について:

1、無明:「比丘」または「女性」がいる、と誤解する(20個の名法)。

2、愛:比丘または女性の生活を、渇愛する。(20)

3、取:比丘または女性の生活に、執着する。(20)

(ここにおいて、20とは、貪見グループを指す。それはまた、19/22/21  である可能性もある。心理的な状況によって異なる)

4、行:仏陀に光、水、花などの供養をした善思グループ(kusala cetanā)(信慧グループ、34個の名法)。

5、業:34個の名法の業力(kamma satti)。

名を煩悩輪転と呼ばれる(1)無明、(2)愛及び(3)取は、多くは、意門転向と七個の速行として、出現する。

もし、色所縁を目標として取る場合、例えば、比丘の生活、または女性の生活の色所縁(rūparammaṇa)、彼所縁は生起する。

速行に出現するのは、貪見グループ(20)であり、名を業輪転と呼ばれる(4)行と(5)業は、すなわち、信慧グループの意門速行心である。

もし、喜俱及び智相応であれば、すなわち、34個の名法がある。

この善グループは、無常法であるため、その生、住、壊滅の生命期が終了すれば、それは即刻、滅し去る。

しかしながら、それらは業力(kamma satti)である為、名色流の中に留まった後に初めて、滅する。

そして、この業力は彼をして、未来世の中において、彼が願った様に、比丘になったり、女性になったりせしめる。

それらは、滅し去った後には、如何なる業力をも残す事のない果報名法(vipāka nāma、異熟名法)、または唯作名法(kiriya nāma)とは異なる。

当該の業力は、業と呼ばれる。

それは異刹那業力(nānākkhanika kamma satti)である。

二番目に発願した所の、梵天の例では:

1、無明;「梵天」が存在していると誤解する。(20)

2、愛:梵天の生活を渇愛する(20)

3、取:梵天の生活に執着する(20)

4、行:梵天になりたいという発願に沿って、累積した所の、第四禅の善思(30)。

5、業:行(31)の中における業力(kamma satti)。

ここにおいて、名を煩悩輪転と言う所の、無明、愛、取は貪見グループ(20)に属する。

行はすなわち、第四禅のジャーナ名法(31)である。

それらは、意門速行心路(manodvārika javana citta)である。

もし、禅修行者が、智でもって、最も近い過去の名法(すなわち、煩悩輪転及び業輪転)を、識別する事ができた上に、それらの名密集を、究極名色法を知見できるまでに、看破する事ができるならば、彼はすでに、最も近い過去の名色法を、識別する事に成功したのだ、と言える。

(9-17につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。http://bodaijyubunko.sakura.ne.jp/index.html

<本雅難陀尊者(Ven. U Puññānanda)著 『禅修指南』Meditation Guide 第二版  中国語→日本語 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>