翻訳『禅修指南』9-23
<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>
更に一歩進んで解説する:
果報を引き起こす業は、最後の速行心の目標(nimitta 注36)である。
それはすなわち、果報を引き起こさんとする業力によって、業、または業相、または趣相が、臨終速行心の目標として、出現するのである。
もし、多くの業が、臨終の時に出現するならば、禅修行者は、臨終速行心の目標を「捉まえる」事が出来たその後に、前に述べた方法でもって、当該の目標の無明、愛、取、行及び業を、追尋しなければならない。
もし、多くの業が臨終の時に出現し、かつ、果報を引き起こさんと争うならば、その中の一つは、果報を直接引き起こす因業(janama kamma、生業とも言う)である可能性があり、その他の業は、因業を支える所の、助業(upatthambhaka kamma、助縁とも言う)でありえる。
過去世の、臨終の時に出現する目標を、識別する事にチャンレンジしている時、禅修行者は、臨終速行心の前の目標を識別し、その為に、臨終速行心の目標を、見逃す可能性がある。
もし、本当に見逃したならば、彼は先に、助業を見つける事になる。
もし、助業と結生業生色との間に、関係があるかどうかを、識別する事にチャレンジすれば、彼は、それらの間には、関係がない事が知れるであろう。
もし、先に見つかったのが因業である場合、かつ、智でもって、それと、結生業生色の間に、関係があるかどうかを、識別する事ができた場合、彼は、それらの間には、関係がある事を知るであろう。
こうしたことから、過去の業を追尋する時、禅修行者は、先に、因業、または助業を、見つける事になるかも知れない。
故に、禅修行者は、繰り返し、重複して、識別し、検査し、連貫して、死亡心(cuti citta)に最も近い、最後の臨終速行心の目標を「捉まえる」必要がある。
当該の目標が出現するのは、すなわち、果報を引き寄せる所の、業力が原因である為、検査と連貫を通して、業(業、または業相、または趣相として顕示される)を、正確に識別する事ができるのである。
注36:《智慧の光》では、nimittaは、通常「相」として訳されるが、ここでは目標の意味である。
(9-34につづく)
<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。http://bodaijubunko.sakura.ne.jp/index.html
<本雅難陀尊者(Ven. U Puññānanda)著 『禅修指南』Meditation Guide 第二版 中国語→日本語 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>