<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>
解説
パーリ経典、註釈と疏鈔によれば、眼触を基因とする受、すなわち、眼識、受領、推度、確定、速行及び彼所縁の受は、眼触生受と呼ぶ。
《小羅候羅教誡經》によれば、眼触は、受を引き起こすだけでなく、受、想、行と識の四名蘊すべてを引き起こすのである(yamidaṁ cakkhusamphassa-paccayā uppajjati vedanāgataṁ saññāgataṁ saṅkhāragataṁ viññāṇagataṁ)。
故に、以下の事に注意して頂きたい:
眼識と相応する所の、眼触は、眼識、受領、推度、確定、速行と彼所縁の、それぞれの四名蘊を支え、それらを生起せしめるのである。
註釈では、眼触は、ただ眼触によって引き起こされた名法しか支えない、すなわち、同一の眼門心路過程の名法しか支えないと言うものの、しかし、それは以下の事を排斥しない:
「眼触は当該の色所縁目標として、継続して取る智を支える、すなわち、異なった心路過程、すなわち、意門心路過程を、支えるのである。」
(Cakkhusamphassapaccayā vedanākkhandho atthi anupādinna anupādāniyo asaṁkiliṭṭha asaṁkilesiko avitakka avicāro.)。
耳触などもまた同様に、理解する事。
意門転向の前に生起する所の、有分心の相応触心所は、無間縁によって、意門転向を支えるが、当該の触とは、すなわち、意触である。
当該の意触はまた、意門心路過程の意門転向、速行と彼所縁名法の生起を、支援する。
故に、ここにおいて、眼触、有分意触に相応する意触を因として、それらは、色所縁を目標に取る所の、意門心路過程名法を支援する(+という状況)を列挙した。
第二速行などに関しては、無間意触が一つ増えた事が因となる。
故に、知らねばならない:
眼触は、色所縁を目標に取る所の、眼門名法の構成を支援し、眼触と有分意触は、皆、色所縁を継続して目標とする所の、意門名法の構成を支援する事を。
禅修行者は、すべての因果関係を、識別しなければならない。
(9-49につづく)
<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。http://bodaijubunko.sakura.ne.jp/index.html
<本雅難陀尊者(Ven. U Puññānanda)著 『禅修指南』Meditation Guide 第二版 中国語→日本語 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>