南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

翻訳『禅修指南』9-51

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>

《味所縁グループ》

味所縁グループ:五門転向受蘊

三個の現在因:

1、依処(意門の中の54色)は因、五門転向受蘊は果。

2、目標(味所縁)は因、五門転向受蘊は果。

3、a.有分意触(34)は因、五門転向受蘊は果。

b.五門転向意触(11-受=10)は因、五門転向受蘊は果。

味所縁グループ:舌識受蘊

 

(五個の過去因は上に述べたのと同じ)

五個の現在因:

6、依処(舌門の中の54色)は因、舌識受蘊は果。

7、目標(味所縁)は因、舌識受蘊は果。

8、舌触(8-受=7)は因、舌識受蘊は果。

9、水界(āpo dhātu)は因、舌識受蘊は果。

10、作意(五門転向=11)は因、舌識受蘊は果。

舌識などの識蘊の、現在の因果において、相見合う所の相応心所を「名」とし、相見合う所の依処色と味所縁を「色」とする。

味所縁グループ:受領受蘊

(五個の過去因は上に述べたのと同じ)

三個の現在因:

6、依処(意門の中の54色)は因、受領受蘊は果。

7、目標(味所縁)は因、受領受蘊は果。

8、a.舌触(8)は因、受領受蘊は果。

 b.受領意触(11-受=10)は因、受領受蘊は果。

味所縁グループ:推度受蘊

(五個の過去因は上に述べたのと同じ)

三個の現在因:

6、依処(意門の中の54色)は因、推度受蘊は果。

7、目標(味所縁)は因、推度受蘊は果。

8、a.舌触(8)は因、推度受蘊は果。

 b.受領意触(11)は因、推度受蘊は果。

c.推度意触(12-受=11)は因、推度受蘊は果。

《触所縁グループ》

触所縁グループ:五門転向受蘊

三個の現在因:

1、依処(意門の中の54色)は因、五門転向受蘊は果。

2、目標(味所縁)は因、五門転向受蘊は果。

3、a.有分意触(34)は因、五門転向受蘊は果。

 b.受五門転向意触(11-受=10)は因、五門転向受蘊は果。

触所縁:身識受蘊

(五個の過去因は上に述べたのと同じ)

五個の現在因:

6、依処(意門の中の44色)は因、身識受蘊は果。

7、目標(触所縁)は因、身識受蘊は果。

8、身触(8-受=7)は因、身識受蘊は果。

9、地界(pathavī dhātu)は因、身識受蘊は果。

10、作意(五門転向=11)は因、身識受蘊は果。

註:識蘊の現在因の中において、相見合う相応心所は「名」及び相見合う依処色(心識の依処色は身門の中の44依処色であり、その他の触所縁を目標とする身門と意門心路過程身の依処色は、意門の中の54依処色である)と触所縁は「色」である。

触所縁:受領受蘊

(五個の過去因は上に述べたのと同じ)

三個の現在因:

6、依処(意門の中の54色)は因、受領受蘊は果。

7、目標(触所縁)は因、受領受蘊は果。

8、a.身触(8)は因、受領受蘊は果。

 b.受領意触(11-受=10)は因、受領受蘊は果。

触所縁グループ:推度受蘊

(五個の過去因は上に述べたのと同じ)

三個の現在因:

6、依処(意門の中の54色)は因、推度受蘊は果。

7、目標(触所縁)は因、推度受蘊は果。

8、a.身触(8)は因、推度受蘊は果。

 b.受領意触(11)は因、推度受蘊は果。

c. 推度意触(12-受=11、または11-受=10)は因、推度受蘊は果。

 法所縁グループ:善グループ(目標=眼浄色)

第一速行受蘊には、四個の現在因がある:

1、依処(意門の中の54依処色)は因、第一速行受蘊は果。

2、目標(眼浄色)は因、第一速行受蘊は果。

3、a.有分意触(34)は因、第一速行受蘊は果。

b.第一速行意触(34-受=33)は因、第一速行受蘊は果。

4、如理作意(意門転向=12)は因、第一速行受蘊は果。

第二速行受蘊には、四個の現在因がある:

1、依処(意門の中の54依処色)は因、第二速行受蘊は果。

2、目標(眼浄色)は因、第二速行受蘊は果。

3、a.有分意触(34)は因、第二速行受蘊は果。

b.第一速行意触(34-受=33)は因、第二速行受蘊は果。

c.第二速行意触(34-受=33)は因、第二速行受蘊は果。

4、如理作意(意門転向=12)は因、第二速行受蘊は果。

注意:この方法に基づいて、その他の名蘊、速行(第三から第七)と彼所縁を識別する。禅修行者は各種の調整を識別ながら練習する事。以下類推。

法所縁グループ:善グループ(目標=安般念似相)

第一速行受蘊には四個の現在因がある:

1、依処(意門の中の54依処色)は因、第一速行受蘊は果。

2、目標(安般念似相)は因、第一速行受蘊は果。

3、a.有分意触(34)は因、第一速行受蘊は果。

b.第一速行意触(34-受=33)は因、第一速行受蘊は果。

4、如理作意(意門転向=12)は因、第一速行受蘊は果。

第二速行などと第一速行の唯一の違いは、因が一個多い事である。

すなわち、無間縁である。

無間縁とは前生名法であり、たとえば、第一速行は、第二速行の無間縁である。

ここ(安般念)ジャーナ速行識蘊の「名色」因は、ただ54依処色を「色」とする。というのも、安般念似相の目標は、ただ概念のみであるが故に。

白骨、白遍似相を目標に取る名法において、第(二)番目の因としての安般念似相は、白骨、白遍似相(目標)に変更すればよい。

言い換えれば、それを修習している所の止禅似相に転換すればよいのである。

初禅には34の名法がある:

第二禅は32名法:

第三禅及び第四禅は31名法である。

それらの各々の「速行意触」因の中において、その心所の数量は、減少する。

彼所縁は安止定速行(ジャーナ速行)の後、生起する事はない。

(9-52につづく)

    <Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。http://bodaijubunko.sakura.ne.jp/index.html

<本雅難陀尊者(Ven. U Puññānanda)著 『禅修指南』Meditation Guide 第二版  中国語→日本語 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>