Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

翻訳『禅修指南』12-6(365/520)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>

23美心所(sobhaṇa cetasika)

(一)信(saddhā)

相:1、信じるべき事柄(saddheyya vatthu)に確信を持つ。

2、信じるべき事柄に信仰(=敬う心)と確信を持つ。

作用:1、相応の名法が、信じるべき事柄を明確に知っている事。

2、己自身と相応する名法に関して、信じるべき事柄に確信を持ち、後退したり、退避したりしない。

現起(現象):1、相応する名法が信じるべき事柄に迷わない。

2、疑いがなく、不如理作意がなく、及び信じるべき事柄を迷わず決定し、または信じるべき事柄に決定を下すことができる。

近因:信じるべき事柄。

(二)念(sati

相:1、相応の法が目標(身、受、心、法の四念処)に対して、念々として、明瞭で、見失わない。(ひょうたんの様に浮遊しないで、石が水中に沈む様である)

2、全心で善行に投入する。

作用:目標を見失う事になる放逸を取り除く;目標を消失させない。

現起(現象):1、心を守る、または禅修の目標を守る。

2、心が目標に対面している状態。

近因:1、強くて力のある想。

2、または身念処等々。

(三)慙(hiri)

相:悪行に嫌悪を感じる。

作用:悪を造(ナ)す事に恥じる。

現起(現象):諸々の悪を避ける。

近因:己自身を尊重する。

(四)愧(ottapa)

相:悪行を恐れる。

作用:悪を造(ナ)すのを恐れる。

現起(現象):諸々の悪を避ける。

近因:他人を尊重する。

(五)無貪(alobha)

相:1、心は目標(所縁)を貪欲に求めない。

2、心は目標に執着しない(たとえば、水玉が蓮の葉に粘着しない様に)。

作用:目標を「私の」または「私のもの」として執着しない。

現起(現象):目標に執着しない。

近因:目標(または依処+目標+触)、または如理作意。

(六)無瞋(adosa)

相:1、粗野ではない。

2、対抗しない(たとえば、事に臨んで、友人の意見に従う)

作用:1、怨恨を除く。

2、怒りの火を除く。

現起(現象):満月の如く、清らかで祥和(=安らぎ)である。

近因:目標(または依処+目標+触);または如理作意。

(七)中捨性(tatramajjhatā)

相:心と心所をバランスさせる。

作用:1、過剰または不足を防止する。

2、偏差を取り除く(心が昏沈睡眠または傲慢に傾くのを防止する)

現起(現象):中捨。

近因:相応の名法(または依処+目標+触);または如理作意。

(八)身軽安(kāya passaddhi)

(九)心軽安(citta passaddhi)

相:不安な心と心所を平静にする、または不安心所と心の平静。

作用:心と心所の不安の打破。

現起(現象):心所と心の静けさ、または心所と心の軽安と不転動。

近因:心所と心。

(10)身軽快性(kāya lahutā)

(11)心軽快性(citta lahutā)

相:心所と心の重さを取り除く。

作用:心所と心の重さの打破。

現起(現象):心と心所が重くない事。

近因:心所と心。

(12)身柔軟性(kāya mudutā)

(13)心柔軟性(citta mudutā)

相:心所と心の硬さの除去。

作用:心所と心の硬さの打破。

現起(現象):心所と心の、目標に対する無抵抗と無阻害。

近因:心所と心。

(14)身適業性(kāya kammaññatā)

(15)心適業性(citta kammaññatā)

相:心所と心の、善作業への不適応性の除去。

作用:心所と心の、善作業への不適応性の打破。

現起(現象):心所と心が、ある所縁を目標に取る事に成功すること。

近因:心所と心。

(16)身練達性(kāya paguññatā)

(17)心練達性(citta paguññatā)

相:心所と心に疾と病のない事。

作用:心所と心の疾病の除去。

現起(現象):心所と心に、全くの瑕疵がないこと。

近因:心所と心。

(18)身正直性(kāyujukatā)

(19)心正直性(cittajukatā)

相:心所と心の正直(=まっすぐな事)性。

作用:心所と心の欺瞞性の除去。

現起(現象):心所と心の狡猾でない事。

近因:心所と心。

三離心所(virati cetasika)

(20)正語(sammā vācā)

相:悪語を犯さない。

作用:悪語から遠く離れる。

現起(現象):悪語を造(ナ)さない、すなわち、悪語を戒する。

近因:信、慙、愧、知足などなど。

(21)正業(sammā kammanta)

相:身体のおいて悪行を犯さない。

作用:身体における悪行を遠く離れる。

現起(現象):身体における悪行を造(ナ)さない。

近因:信、慙、愧、知足などなど。

註:状況に応じて、「殺生」、「偸盗」または「邪淫」を「身体における悪行」と置き換える。

(22)正命(sammā  ājīva)

相:邪命を犯さない。

作用:邪命から遠く離れる。

現起(現象):邪命を造(ナ)さない。

近因:信、慙、愧、知足などなど。

(12-7につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。http://bodaijubunko.sakura.ne.jp/index.html

<本雅難陀尊者(Ven. U Puññānanda)著 『禅修指南』Meditation Guide 第二版  中国語→日本語 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>