南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

般若の独り言~あなたの目の中の丸太

「他人の目の中のゴミを問題にするより、あなた自身の目の中の丸太を、取り除く事に尽力しなさい」

は、キリストの有名な教えです。

己自身には、大いなる偏見と先入主がある。

そんなあなたに、他人を批判する資格などない、という教えです。

でも私、この教え、なんだか変だなぁ、と長い間、思っていました。

勿論、私は視野が狭く、ものごとを正しくとらえていない場合が多い、という事は認めますが、たとえば、力の強い者が弱い者を虐めたなら、前者を批判するのは当たり前ではないでしょうか?(弱い他人を虐めるのは、虐める側の人間に、解決不能の苦悩があるが故、それに配慮する事、というのも一面の真理ですが、今は横に置く。)

それとも、目に丸太を持つ私には、他者を批判する資格は、全くないのでしょうか?

ところが、先日、丸太には、続きがあるのだと誰かが、教えてくれました。

それは

「あなたの丸太が取れたなら、他人の目の中のゴミを取れ」です。

まず己から正す(凡夫が、完璧にそうするのは、少々、難しいかもしれないですが)。

そして、自分に恥じない範囲で、不正には、声を挙げてもよい(怒りではなく慈でもって。)

日本に、<お互いに決して批判をし合わない>キリスト教団がある、と耳にした事があり、それがずっと心に引っかかっていました。

宗教が教条になると恐ろしい・・・ここにも、その一例がありました。

<緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>