<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>
十一、「粘着性」を識別する為には、あなたは身体は、どの様にして、皮膚、筋肉、腱によって結合されているのかを覚察しなければならない。
血液は、皮膚に包まれてあることによって、身体内部に維持されており、それは気球の中の水の様である。
もし、粘着の作用がないならば、身体は砕けて欠片になるか、顆粒状になる。
人が地面に立っている時の、地心の引力もまた、粘着の作用である。
上に述べた様に、系統的に、各種の性質を識別する。
十二、「流動性」を識別する為には、あなたは唾が口に入る時の流動性、血管の中を血液が流れる流動性、空気が肺に入る流動性、または熱気が全身に存在する流動性を覚察する。
上に述べた様に、系統的に、各種の性質を識別する。
もし、粘着性または流動性を識別するのが困難な時、あなたは、繰り返し、逐一、前の十種類の性質を、全身において、識別しなければならない。
熟練した後、あなたは粘着性の性質もまた、明確になっている事に気が付くであろう。
万一、粘着性がいまだ明確にならないならば、あなたは推進性と硬さの二種類の性質に関してのみ、何度も、専注する。
最後に、あなたは全身が一本の縄で巻かれた様な感覚を覚えるが、これが粘着性の性質である。
もし、流動性が明確にならないならば、あなたはそれを識別すると同時に、冷たさ、熱さまたは推進性を識別する様にする。
この様にすれば、あなた流動性を識別できる様になるであろう。
全身の頭から足まで、明確に、12種類すべての性質を識別する事ができたならば、あなたは、順序に従って、繰り返し何度もそれらを識別しなければならない。
この様にして、己自身、充分に満足を覚えたならば、あなたは最初に説明した如くの順序、すなわち:硬さ、粗さ、重さ、柔らかさ、滑らかさ、軽さ、流動性、粘着性、熱さ、冷たさ、支持性、推進性の順序を、改めて組み立て直さなければならない。
この様な順序に従って、頭から足まで、一つひとつの種類の性質に関して、逐一、あなたが一分間にほぼ三回転できる程の、相当の速さで識別する事ができる様に修習する。
この様に修行する時、ある種の禅修行者は、諸界においてバランスを崩す時が有る。ある種の界は、過剰に強くなりすぎるために、人をして耐え難いほどの不快を齎す、特に硬さ、熱さと推進性において。
もし、この種の状況が発生したならば、あなたは比較的多くの注意力を、強すぎる界とは対立する性質のものにおいて、そのまま定力を育成する事を継続する。この様にすれば、再度、諸界をバランスすることができる。
諸界がバランスする時、定力の育成が容易になる。これが、最初に12種類の性質を教え導く理由である。
、(5-148につづく)
<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>
(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。http://bodaijubunko.sakura.ne.jp/index.html
<中国語→日本語 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>