Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

パオ・セヤドー弘法記念「顕正法蔵」6‐6(144/430)

<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>

10.2 色、香、味、食素(=栄養素)の識別

色(色彩、vaṇṇa):またの名は色所縁(rūparammaṇa)と言う、一粒一粒毎の色聚の中には、皆これがあり、かつ、非常に容易に識別できる色法である。

香(匂い、gandha):一粒一粒毎の色聚の中には、みな、この色法が含まれる。先に、あなたは鼻浄色と有分の両者を識別しなければならない。

鼻の中の四界を識別すれば、あなたは非常に容易に、鼻の中の、正確な色聚(すなわち:鼻十法聚)の中にある、鼻浄色を見ることができる。

あなたが六処門の明浄と非明浄色聚の中の四界を識別する事に成功したならば、あなたは、非常に容易に明るい有分を見ることができる。

それは心臓の中の心所依処に依存して生起する。心所依処とはすなわち、

 心色十法聚(hadaya dasaka kalāpa)の中の心色である。

鼻浄色と有分を識別した後、あなたは一粒の色聚を選んで、その香を識別する。あなたは香が同時に鼻浄色と有分を打つのを見ることができる。

香は、一種の、鼻識または意識によって認知することができる法である。鼻識は、鼻法色に依存して生起し、有分と意識は、心所依処に依存して生起する。

これが、色聚の中の香を識別しようとする時、なぜ、先に、識知と香と関係のある、鼻浄色と有分を、観察しなければならないのか、という理由である。

味(味、rasa):一粒一粒毎の色聚の中において、みな、この色法は存在している。

舌浄色と有分の両者を同時に識別する時、選らんだ色聚の味もまた識別する。

舌の上の唾液の味を識別する事から始める。

香と似て、味は一種の、舌識によって、または意識によって認知する事のできる目標である、故に、先に舌浄色と有分の両者を識別しなければならない。

《迷惑氷消》の中において、以下の様に言う:

Sabbopi panessapubhedo manodvārika javaneyeva labhati.

ーー「意門速行心によるだけであっても、一切の異なる目標を識知することができる。」

これは、意識(すなわち、観智心路過程)のみによっても、色、香と味を識知できる、という事を顕している。

禅修行者が深く入れない時、己自身が、どの様にして、意識でもって、香と味を認知しているのかという事を修習するにあたって、鼻識と舌識をして、その修習に協力せしめることができる。

食素(ojā、栄養素):一粒一粒毎の色聚の中には、みな、この色法が存在している。四種類の食素があるが、すなわち、業、心、時節、食から生じるものである。

どの一粒一粒の色聚の中においても、一滴の油の様な食素を見ることができる。

この食素によって、色聚は、重複して増加し、または生起することができる。

(色聚の重複して生起する方式に関しては、後に解説する)

(6-7につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さいhttp://bodaijyubunko.sakura.ne.jp/index.html

<中国語→日本語 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>