般若の独り言~仏法とお盆
もうすぐお盆です。
私が住んでいる Y盆地は、九州の田舎ですから、まだまだお盆は盛んです。曜日を考慮しないで、必ず 15、16日に行事が行われます。
15日が太鼓、花火、16日が、おそろいの浴衣を着て、通りを練り歩く、正調盆踊り。
お盆には、僧侶が檀家回りをすると聞きました。
私は日本生まれの台湾人で、檀家制度に組み入れられていない為、よく分からない部分もありますが、最近、日本では、檀家と寺院の関係があまり上手くいっていない様に思います。
昔の様に、ただただお寺、僧侶を、敬うだけの人は大変に少なくなり、自分が檀家として属する寺院、僧侶を批判する声を聞きます・・・一方的にやってきて、形式的に読経するだけの、彼岸やお盆の檀家回りは欲しない、家族葬で充分、戒名は必要ない、または自分でつける、墓じまい等々。
テーラワーダ(南伝仏教)で大事にしているのは、ゴータマ仏陀の生誕の日、悟った日、初転法輪の日、涅槃の日ですが、行事としては淡々としていて、皆で仏像にお花、お線香、お水を捧げた後、夜、寺院の庭に蝋燭を並べるくらいです。
ある年の雨安居の時に、シャーリプトラ尊者が禅定に入って、母親が地獄にいるのを知って、ゴータマ仏陀に報告した事が、中国や日本において、お盆に地獄の釜の蓋が開く、先祖(の魂)が家に帰ってくる、という俗信に転換して行った様です。
テーラワーダでは、僧侶が檀家回りをしませんし、何より<お盆>自体がありません。
(追補:テーラワーダでは、檀家制度自体、存在しません。出家僧侶と在家信者は、一対一の関係性の中において、在家が、自分の好きな僧侶の元に、ダンマを聞きに行き、瞑想の指導を受ける。在家側に、感謝の念があれば、サンガまたは僧侶個人に、時折お布施する・・・それだけの、あっさりしたものです)
<緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>