Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

パオ・セヤドー弘法記念「顕正法蔵」6-60(254/430)

 <Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>

17 如何にして痛苦を滅し除くのか

あなたは、痛苦(=苦痛)から脱離(=逃れる)したいですか?

もし、苦から離れたいのであれば、《諦相經・重閣經》(Kūṭaghāra Sutta、Sacca Saṁyutta)を耳を澄まして聞いて下さい。

「比丘たちよ。

もしある人がこの様に言ったとする:

『苦聖諦を如実に、徹底的に見る必要が無い。

苦集聖諦を如実に、徹底的に見る必要はない。

苦滅聖諦を如実に、徹底的に見る必要はない。

苦の滅に到る道聖諦を、如実に、徹底的に見る必要はない。

それでも私は究極的に、苦を離れることができる。』

ーーこれは不可能である。

比丘たちよ。

もしある人がこの様に言ったとする:

『ビルの一階を建てなくても、私は上層階を建てることができる。』

ーーこれは不可能である。

同様に、もしある人がこの様に言ったとする:

如実に、徹底的に、苦聖諦を見なくても、如実に、徹底的に、苦集聖諦を見なくても、如実に、徹底的に苦滅聖諦を見なくても、如実に、徹底的に、苦の滅に到る道聖諦を見なくても、私は、究極的に、苦から離れることができる。』

ーーこれは不可能である。

しかしながら、比丘たちよ。

もしある人がこの様に言ったとする:

如実に、徹底的に苦聖諦を見、如実に、徹底的に苦集聖諦を見、如実に、徹底的に苦滅聖諦を見、如実に、徹底的に、苦の滅に到る道聖諦を見た後であるならば、私は究極的に苦から離れる事ができる』

ーーこれは可能である。

比丘たちよ。

もしある人がこの様に言ったとする:

『ビルの一階を建てた後に、私は次の上の階を建てようと思う。』

ーーこれは可能である。

同様に、もし、ある人がこの様に言ったとする:

如実に、徹底的に苦聖諦を見、如実に、徹底的に苦集聖諦を見、如実に、徹底的に苦滅聖諦を見、如実に、徹底的に苦の滅に到る道聖諦を見た後であるならば、私は究極的に苦を離れることができる。』

ーーこれは可能である。

故に、比丘たちよ。

『これは苦である』を了知する為に、精勤するべきである;

『これは苦の原因である』を了知する為に、精勤するべきである;

『これは苦の息滅である』を了知する為に、精勤するべきである;

『これは苦の滅に到る道である』を了知する為に、精勤するべきである。」

もし、生死輪廻から解脱したいのであれば、最も重要な事は四聖諦を了知することである。

仏陀は《相応部・辺際村經》(Koṭigāma Sutta、Saṁyutta Nikāya)の中において、非常に明確にこの事を顕示している:

一時、世尊はバッジ族の辺際村に留まっていた。

その時、世尊は、この様に、比丘たちに話した:

『比丘たちよ。

まさに、四聖諦を了知しない、徹底的に見ることがないが故に、あなたと私は、長い間の輪廻の中で、流転し、徘徊した。

それはどの四項(の聖諦)であるか?

比丘たちよ。

まさに、苦聖諦を了知しない、徹底的に見ることがないが故に、あなたと私は、長い間の輪廻の中で、流転し、徘徊した。

まさに、苦集聖諦了知しない、徹底的に見ることがないが故に、あなたと私は、長い間の輪廻の中で、流転し、徘徊した。

まさに、苦滅聖諦了知しない、徹底的に見ることがないが故に、あなたと私は、長い間の輪廻の中で、流転し、徘徊した。

まさに、苦の滅に到る道聖諦を了知しない、徹底的に見ることがないが故に、あなたと私は、長い間の輪廻の中で、流転し、徘徊した。

比丘たちよ。

あの苦聖諦は、すでに了知され、徹底的に見られたのある;

あの苦集聖諦は、すでに了知され、徹底的に見られたのである;

あの苦滅聖諦は、すでに了知され、徹底的に見られたのである;

あの苦の滅に到る道聖諦は、すでに了知され、徹底的に見られたのである;

存在における貪愛はすでに切断され、存在に向かう渠道は、すせい破壊された。二度と来生は、有ることが無い。』

これは世尊が開示した言葉である。

この様に開示した後、善逝大師はまた、以下の様に述べた:

由於不如実 徹見四聖諦

我等長久地 流転種種生

今聖諦已見 有渠已切断 

断除苦之根 更不復再生

(四聖諦を如実に徹底的に見ることがないが故に

我々は、長い間、種々の生を流転した

今、聖諦をすでに見て 渠はすでに切断され

苦の根も断じ除かれた 二度と再生することはない )

(7-1につづく)

<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>

(+ )(= )訳者。句読点等ほぼ原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。http://bodaijubunko.sakura.ne.jp/index.html

<中国語→日本語 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>