<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>
上に述べた四種類の業の中において、「重業」は最も優先的に熟するが、これが、なぜ重業と呼ばれるのかという、理由である。
いままさに熟せんとする重業がない時、最も慣習的な業が優先的に熟する。もしまさに熟せんとする慣習業がない時、臨終の時に思い出した業ーー近業ーーが熟する。
もし、(+その時に)近業が熟さないならば、今よまたは過去世においてかつて造(ナ)した業(已作業)が熟する。
業のもう一つ別の四つの分類方法は:
令生業(janaka-kamma)、
支持業(upatthambhaka-kamma)、
妨害業(upapīḷaka-kamma)、
破壊業(upaghātakaーkamma)である。
「令生業」(janakaママ)は、生まれ変わりを齎す業であり、次の一世の結生と、その一期の生命の中の果報名色蘊を齎す。
それは、善でもあり得、不善でもあり得るが、ただ、唯一、臨終のときに熟した業のみを令生業と呼ぶことができる。
「支持業」(upatthambhakaママ)自体は、生まれ変わりの果報を齎すことはできないが、しかし、その他の業が、生まれ変わりの果報を齎した後、それはすでに生起した所の苦報または楽報を強化し、かつそれを継続させることができる。
たとえば、善の令生業がある衆生をして、人に生まれ変わらせる時、支持業はその寿命を延長することを助け、その健康乃豊富な衣食を保証する。「妨害業」(upapīḷakaママ)は、その他の業が生まれ変わりの果報を齎した後、すでに生起した苦報または善報を阻止するか、または障礙するものであり、それが継続しない様にする。
それはその他の業の果報を切断するが、しかし、生まれ変わりの果報そのものではない。
たとえば、ある衆生が、善の令生業によって人間に生まれ変わったとして、妨害業は、多くの病を齎し、その人間が善業による善報を享受するとを妨害する。
「破壊業」(upaghātaka-kammaママ)自体は、善でもあり、不善でもあり得る。それは弱い業を中断させて、己自身の果報を結成する。
ちょうど、一陣の敵対するエネルギーが、今まさに飛んでいる矢を止め、それを撃ち落とすことが出来る様に。
たとえば、ある衆生が善なる令生業によって天神に生まれたとして、しかしある段階で破壊業が突然熟し、彼をして突然死に至らしめ、四悪道の一つに生まれ変わらせしめる、などである。
もう一つの理解の仕方は、以下のとおりである:
ある種の業が造作された後、生まれ変わる時、または一期の生命の内において、その業の結果、名色法(精神と物質)が生じる。この業は「令生業」と呼ばれる。
ある種の業が造作された後、それが抑制または干渉の要素及び強化の要素を激発して、その他の業によって結成された苦報または楽報を支援するか、または延長する時、その種の業は「支持業」と呼ばれる。
ある種の業が造作された後、令生業によって結成された苦報または楽報が、それによって病気または四大の不調という方式でもって阻害される時、その種の業は「妨害業」と呼ばれる。
ある種の業が造作された後、その他の種類の業の果報が、令生業の効力が原因で、元々は更に長く持続できたところ、しかし、この種の業によって破壊、切断及びこれに取って代られる時、この種の業は「破壊業」と呼ばれる。
我々は提婆達多(Devadatta)の例でもって、この四種類の業の説明する:
彼には善の令生業があって、皇族として生まれることができた。
令生業と支持業の縁によって、彼は引き続き幸福な生活を送ることができた。
しかし、彼が悪行を造(ナ)して、僧団(=サンガ)から隔絶した時、妨害業が、即刻効力を生じし始め、彼は人々から軽視される様になった。
彼がサンガの分裂を引き起した重業は、すなわち、破壊業であり、彼をして、阿鼻地獄へと生まれ変わらせたのである。
唯一、仏陀の業果智だけが、上に述べた12種類の業のその業果の継続的、相続的な、実質的本質を、明確に、照見することができる;
その種の智慧は弟子たちも擁していない。
しかしながら、観禅を修習する人々は、部分的に業果が継続、相続する状況を了知することができるものである。
心の中において、この種の業果法則の知識を持った後、我々は仏陀が如何にして、逐一、婆羅門の学生須婆に、14個の問題に答えたのかを見ようと思う。
仏陀は言う:
「では、学生よ。
私が話す事に対して、心を集中して、かつ、しっかりと、注意して聞きなさい。」
(10-8につづく)
<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>
(+ )(= )訳者。句読点等ほぼ原文ママ。★誤字脱字を発見された方は、<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。http://bodaijubunko.sakura.ne.jp/index.html
<中国語→日本語 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>