パオ・セヤドー弘法記念「顕正法蔵」10-12(308/430)
<Idaṃ me puññaṃ nibānassa paccayo hotu>
我々のゴータマ仏(Gotama Buddha)が世間に出現する前、両家尊者は憍賞弥(Kosambī)の一軒の長者の家に生まれた。
彼の保母が、ヤムナ河で、彼を沐浴させている時、彼は水の中に落ちて、一匹の大きな魚の腹の中に飲み込まれてしまったが、しかし、彼は死ぬことはなかった。
両家尊者が、その様な時にも生きていられるのは、彼の最後の生における、神聖的な力のおかげであった。
これは「智慧遍満神通」(ñāṇavipphāraiddhi)によって生じる現象であるが、それはすなわち、その一世の中において、彼は阿羅漢果を証悟しない内には死亡することはない、いうことを意味している。
この種の「智慧遍満神通」は、彼の過去世において累積した所の業によって、彼の身体上に生じるものである;
彼は勝蓮華仏の時代に、将来、健康第一の大阿羅漢になるという、授記を受けたが、それは、勝蓮華仏が、彼がこれまで累積した波羅蜜とこれから累積するであろう充分な波羅蜜を見て、この様な阿羅漢になると(+授記したのが原因である)。
「智慧遍満神通」とは、あれら波羅蜜によって生じるものであり、あれらの波羅蜜の中で、ある種のものは、彼を長寿にならしめる支持業である。
一人の漁師が、あの大きな魚を捕まえて、波羅奈城の、一人の長者の妻に売った。その魚の腹裂いた時、彼らは魚の腹の中に、嬰児が、一つの怪我もしないで、元気に生きているのを発見した。
長者の妻は、彼を己の子供と見做して、大事に育てた。
この消息が伝わって、嬰児の家の者が引き取りに来たとき、長者の妻は、その父母に対して、嬰児を彼女の元に残して育てさせて欲しいと願い出た。
国王は、この両家が、共同で、この嬰児を育てる様に決裁した、故に、彼は両家(Bākula)という名前を貰うことになったのである。
彼は栄華富貴な生活を送っていたが、80歳の時、仏陀の説法を聞く機縁を得て、仏法に対して信心(=確信)を起して、出家して修行した。
出家した後、七日間、彼は精進したが、八日目になって、阿羅漢果と四無礙解智とを同時に証得した。
後に、仏陀は、彼は健康第一の大弟子であると宣告した。
彼は160歳まで生きて、後に般涅槃した。
彼は我々のゴータマ仏の時代の四人の大神通者(mahābhiññā)の内の一人である。
その他の三人は、ぞれぞれ、シャーリプトラ尊者、モッガラーナ尊者、ヤショーダラー長老尼(Bhaddakacāna Yasodharā Therī)である。
両家尊者の長寿と健康は、過去世の中において、戒清浄の基礎の下に、累積した善業によって造られたものである。
結論として、我々は、仏陀の以下の教導を忘れない様にする事:
「戒行が良好な者の願望は、その清浄な戒行によって円満に達成することができる。」
引き続き五番目の回答を聞いて頂きたい:
(10-13につづく)
<Mama puññabhāgaṃ sabbasattānaṃ bhājemi>
(+ )(= )訳者。句読点等ほぼ原文ママ。★誤字脱字を発見された方は<菩提樹文庫>までお知らせ下さい。http://bodaijubunko.sakura.ne.jp/index.html
<中国語→日本語 翻訳文責 Pañña-adhika Sayalay>