修行の為、タイの森林僧院に通って15年目の夏、私は日本に帰る道すがら、台湾に寄る事にしました。
台北で偶然、「慈雲」という雑誌に
「パーリ語教室開催中」
という広告を見て、許洋主先生の主催するパーリ語教室に顔を出してみました。
先生は、チベット語、サンスクリット、パーリ語、日本語、英語を操る才媛で、これらの言語の習得を必要としている僧侶方~~多くは大学院在籍の方々でしたが~~に週の五日間、日替わり・無料で、教えておられました。
私は、パーリ語だけ習いに通っていた所、カシミールだったか、ガンダーラだったかに留学予定の女子学生が、私に
「あなたはパーリ語が好きな様ですが、この本如何ですか?」
と言って、パオ・サヤドーの『智慧之光』を手渡してくれました。
色聚(素粒子)の無常・苦・無我を観ずる・・・
心心所の無常・苦・無我を観ずる・・・
そこには、私が経典「雪山童子」篇を読んだ後に、長年探し求めていた、無常・苦・無我に関する説明、刹那生・滅、止禅と観禅に関する説明が、もうこれでもか、これでもか、というほどに書いてありました。
すごろくは、今、上がった。
そう直感しました。
<緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>