南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

般若の独り言~マウンティング-1

世の中には、マウンティングが好きな御人がいる。

本来、マウンティングというのは、猿とか犬など、集団で生活する動物が、己の集団の中における地位、立ち位置を確認する為に行う行為であるけれども、人間で屡、これが好きな人がいて、閉口する。

私はすでに御年 70 で、日常生活における、私の茶飲み友達も皆、老婆が多いのだけれど、その内、いにしえの出身大学、または勤めていた、大手の職場の名前を、頻繁に連呼する方がいる。

この方々は、今はすでに、棺桶に片足つっこんでいるというのに、若い頃に味わった優越感から抜け出せないらしい・・・そんな優越感なんて、あなたの心の中にしかない、幻の優越感なのに・・・。

仏教徒は、マウンティングなんて、絶対にしない。

なぜなら、仏教徒の最強・最大の教師であるゴータマ仏陀は、2600年前に、おひとりで、世界の実相は色(=素粒子)と心、心所、涅槃である事を発見して、それを巧みな言説で、我々に教えてくれたのだけれども(三法印、八正道)、その奇跡、功徳を超えうる人間は、今の世の中、誰ひとりとして、存在しないから。

私も、35年座禅・瞑想してきて、この間、多少の心得を得たものの、ゴータマ仏陀が自ら発見し、我々に示された教えの内容と比べてみれば、己がどれほど小さな存在であるかが、知れる・・・別に、私が特別に謙虚なのではなく、ダンマの世界を知れば知る程、それが当然の帰結なのだ、と思われる。

仏教徒は、マウンティングなど、全くもって恥ずかしくて出来ないし、率先して慎むべきである、と思っている。

  <緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>