Sayalay's Dhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。

般若の独り言~vipassanā と慈みの心

世の中には、パオ・メソッド(注1)で修行してみると、

メキメキ上達して、3か月やら一年やらで vipassanā を完成させて、即、指導者になった・・・なんて人もいます。

しかし、その中で、残念ながら、vipassanā は出来ても、慈しみの心に欠ける人がいます。

私は昔、座禅・瞑想の上手な人は、みな、慈しみの心を持っているものだと思っていましたが、そうではない場合もある、という事です(人の業は、さまざま)。

仏教のサンガにおいて、個人崇拝は、ゴータマ仏陀自身が禁止しています。

ゴータマ仏陀を尊敬する余り、仏陀が外出先から帰って来ると、真っ先に出迎え、仏陀がどこへ行ってもその後について回る・・・仏陀は、この人を、サンガから追放してしまいました。

vipassanā を完成させた瞑想の指導者は、もうそれだけで尊敬に値いしそうではありますが、しかし、個人崇拝は怪我の元。

理想を言えば、vipassanā(止観瞑想) が出来て、なお、慈悲の心に満ちた指導者に出会う事、でしょうか(この様な指導者に出会えるかどうか、己の業や徳にも、かかってきます)。

良い指導者に出会えた場合も、指導者に必要以上に依存せず、自己を頼りに、戒と法を頼りに、修行生活を無事に、楽しく進めることが大切かと思います。

注1=パオ・セヤドーは、ご自分の考案された修行方法を<パオメソッド>と呼ばれる事を嫌います。

「止観瞑想は、ゴータマ仏陀の教え」

「私は、緬甸の地で、消滅しかかっていた止観瞑想を研究し、復活させただけで、私が発明したわけではない」との事です。

<緬甸パオ森林僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>