南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

諏訪見様のコメントへの回答(10月12日下線部分追加)

諏訪見様

長文のコメントを 『佐々井秀嶺師の事』 にお寄せ頂いて、ありがとうございます。

1)2016年から19年まで、3度、モーラミャインのパオ森林僧院本山に行かれ、なかなかご苦労された様ですね。

私が、パオ・セヤドーの『智慧之光』や『如実知見』を

日本語に翻訳したのは、私も、この本に書かれてある

座禅・瞑想の方法が、ゴータマ仏陀の教えに一番近いのではないか、と直感して、日本の皆様に、是非とも紹介したかった、という事で、動機は単純で純粋、他意はありません(仏教書を翻訳するのに、他にどの様な動機が、必要でしょうか?)。

私は、お寺の出でもなく、仏教系大学にも行っておりませんので、つきつめて仏教理論を掌握している訳ではありませんが(仏教オタクの主婦、というレベル)、日本で出版されている『天台摩訶止観』はよく理解できないのに、なぜか、パオ・セヤドーの『智慧之光』(日本語版『智慧の光』)の重要性は、直感で分かったのです。

私が、パオ森林僧院に修行に行ったのは、2000年ごろで、その頃は、諏訪見様がコメントで書かれているような、無理強いとか混乱、困難は何もありませんでした。お布施を強要された事も、一度もありません(注1)。

クッティは、他人が建てたものを借りましたので、持ち主が泊まりに来ると、身の回りの物を持って、別のクッティに移動させられたのが、少し面倒だった、くらいの想い出しかありません。

以前は、観光ビザで入国して、その後に、(お寺の事務員に手伝って貰って)瞑想ビザに切り替えることができましたが、政権が変わった前後から、それができなくなり、またビザ延長代がどんどん高くなっていった様です。

2000年頃にパオにいた私には、その様な困難な体験は一つもなく、この様な状況の変化は、翻訳者が責を負うものではありませんし、負えるものでもありません。

2)諏訪見様がコメントにあげた、お寺の各種管理人の

お名前も全員、私には、なじみのないものです。

私がいた頃は、ジャパンという名前(あだ名?)の、片言の日本語が出来る在家の男性が、色々とお世話して下さいました。

もっとも、私は女性居住区にいて、男性居住区に足を踏み入れる事はほぼ、ありませんでしたので、男性(比丘と在家修行者)が住む山の中腹と、山の頂上の出来事は、偶に、中国、華僑系の比丘の噂を聞く以外、どういう状況なのか、まったく分かりませんでした。

2)タイのパオ分院は、月5000バーツのお布施が必要である、と言う事も、寡聞にして聞いておりません。

私は、ミャンマー語が苦手ですが、タイ語は少し出来ますので、今後、タイのパオ分院で修行してみたいという希望を持っています。

もし、コロナ後、タイ分院に入山する機会を得ることができましたら、その辺の事は調べてみます。

3)諏訪見様が、

《パオの修行は危険なので、修行する時、必ずパオ森林僧院に行って下さい》と、

私が言ったと、理解している件について。

私が言っているのは、

四界分別観は、非常に微細で難しく、毎日の座禅・瞑想の体験を先生に報告して、微調整をしてもらわねばなりません。

地、水、火、風の性質を瞑想するこの修行方法は、自己流でやると、四界の偏差を起し、禅病になります。故に必ず、指導者・正師につく事。

安般念は、四界分別観の修行ほど、危険ではありません。

心を、鼻の外、人中の辺りに置く事(無意識に鼻の中の息を観じていると、禅病になるので×)、

皮膚の熱い冷たいを観じない事(安般念が四界分別観になってしまうので×)

を守れば、日本で、自分一人で修行しても、副作用はないと思います。

ただし、もし禅相(nimitta)を観じていて、幻想を見るとか、気分が悪くなるなどの事がありましたら、やはり、

正師の指導を受けて下さい。

4)清浄道論とアビダンマの翻訳、註釈つき、ですか?

なかなか、難しいですが・・・縁が熟して、よい仏教書に出会え、その時に身・心ともに充実しているなら、できるかも知れません。

智慧之光』『如実知見』の翻訳者として、また、コーディネートが好きなタイプでしたら、日本の修行者方の為に、緬甸への渡航・入国、修行等について、お手伝いするのもやぶさかではないのですが、私も、ヨギ、修行したい方に属する身ですから、『智慧之光』『如実知見』その他の仏教書を翻訳して、菩提樹文庫にUPするという<法施>が、日本の皆様への、私の精一杯の善意であります。

あしからず。

注1=私が、『智慧之光』など、パオ・セヤドーの中国語の著書を、台湾から日本に持ち帰って、日本語に翻訳し、WEBにUPしたのは、1999年~2000年頃の事です(ソニーソネット上にUP)。

翻訳文をWEBにUPした後、モーラミャインにある、パオ森林僧院本山に、修行に行きました(合計2年半ほど、滞在しました)。

2016年にミャンマーに行かれた諏訪見様が、『智慧の光』(日本語版)に書かれている、ヤンゴン在住の世話役 U Thet Thin に連絡がつかなかった、というのは、致し方ない事だと思います.

著書が出版されて以降、16年(以上)の歳月が経っています・・・この間、それぞれに生活があり、色々な事情がおありでしょうから。

尚、私は、ヤンゴン~モーラミャイン間の移動・案内は、緬甸華僑のZ女史を頼りましたので、U Thet Thinとは、直接の面識はありません。

  <緬甸パオ森僧院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>