本叢書の最後の1セットは「上座部仏教弘(法)護(持)叢書」で、これは、パーリ三蔵(すなわち「蔵内文献」)に重きをおいているものあるが、それは、現代においてたやすく見る事の出来る、緬甸第六次結集版のパーリ聖典の「蔵外文献」の様なものをいう。
端的に言えば、この四種類の小さなセットの叢書は、パーリ聖典の如くに、三蔵を主体とし、蔵外の文献を付帯するものである。
蔵外文献は、内容が多元的であり、それは例えば、上座部仏教史伝(例えば三宝の世間的伝承、讃仏頌)、パーリ語文法書、現代緬甸 Ledi Sayadaw 大師の著作及び通世俗的な、才徳兼備の書物(例えば 《LokanIti》)など、また三蔵の義註と見做す事の出来る 《清浄道論》 も含むものとする。
前の三種類の叢書は、三蔵聖典を翻訳し、解説する事を主としている;
弘法護持関連の叢書は、法蔵外の文献の精神に則り、蔵外の文献を訳したり、また解説したりするものである。
後者は広く、僧団(サンガ)に代表される所の三宝の宗教文化、上座部仏教を主とした仏教世界の歴史的また地域的文化民俗を含むもので、上座部仏教本体と、教外との相互的な交流による顕著な特色を有するもの、または教外にあるものなどを厳密に分類して(紹介する)、個別の地域または道場の紹介、古今長老宗師の伝記行状、護法の弟子伝(例えば、仏陀の世における給孤独長者、阿育王等)、芸術絵図詩文歌(例えば、Pagan古城)、聖地巡礼訪問記等。
<翻訳文責:緬甸パオ森林寺院/ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>