南伝仏教のDhamma book

長年、当ブログにおいて逐次公開しましたテーラワーダ系仏教書翻訳文は、<菩提樹文庫>にてPDF版として、正式に公開されています。<菩提樹文庫>WEBをご閲覧下さい。尚、修行については必ず経験豊富な正師について下さるようお願いします。

翻訳『親知実見』#9-3

<注22>=依処:五種類の物質的依処は、すべて ”vatthu” または ”āyatana” と称する事ができる。

しかし、第六番目の物質的依処は、ただ ”vatthu” と呼ぶ、例えば ”hadayavatthu”は、すなわち、心処である。

「意処」(manāyatana)と呼ばれる所の第六処は、非色法である為、ただ ”āyatana” と呼ばれるが、その物質的依処は、すなわち、心処(hadayavatthu)である。

すべての六処は、六界(dhātu)とも呼ぶ。

<注23>=ここで言う根(indriya)は、「処」、「門」、「界」等と、意味は同じ。

仏陀はここにおいては、婆羅門が提出した「五根」に関する疑問に対して、回答しているのである。

<注24>=パオ・セヤドーは、《殊勝義》の中の比喩を引用している;

ちょうど飛ぶ鳥が、木の枝に止まる時、その影もまた同時に地面に映る。

同様に、所縁が五根を衝撃する時、同時に意門をも衝撃するのである。

<注25>=粗色/微細色:28色の二分法。

粗色(oḷārikarūpa)がその様に称せられるのは、衝撃性色法(sappaṭigharūpa)(其の他の色法を衝撃する事のできる色法)であるからである。

12種類の粗色がある:

1-5)五浄色(上に述べた)。

6-9)色(色彩)、声(音)、香、味;

10-12)地界、火界、風界。

浄色は、意門心によって認知される。

その他は、意門心と五門心によって認知されるーーそれらは、観智によって容易に識別される。

微細色(sukhumarūpa)がその様に称せられるのは、非衝撃性色法(appaṭigharūpa)であるからである。

16種類の微細色がある;

1)水界

2-6)食素、命根、心処色及び男性/女性根色;

7-16)10種類の非完成色法(「表2a:28色法」参照の事)。

微細色は、唯一、意識を通してのみ、認知することができるが、しかし、観智でもって識別するのは困難である。

<注26>=89種類の心:

すなわち、六識ーー眼識、耳識、鼻識、舌識、身識と意識。

<注27>=52心所。

通一切心心所:

七遍一切心心所と六雑心所;

不善心所:

四通一切不善心心所、十雑不善心所;

美心所:

19通一切美心、三離、二無量、一無痴。

美心所の例は、後出の表を参照の事:

初禅の33心所。

<注28>=「表1b:意門心路」及び《去除愚痴》(Vbh.A)の引用を参照の事。

<翻訳文責:緬甸パオ森林寺僧院ヤンゴン分院所属/Pañña-adhika Sayalay般若精舎>